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「お前にだけな」
「え?」
「仕事では圧をかけられようが、周りから向けられる期待のプレッシャーだろうが、陰口を叩かれようが、お得意の営業スマイルで耐えれる。でも、お前は無理。考えるよりも先に身体が動くんだよ……こんなふうにな」
「っ!!」
不意に
主任の顔が
私へと近づいてきて
気づいた時には
私の唇と主任の唇が重なっていた。
主任とする
2回目のキスは
以前のような
一方的なキスではなく
ふたりの想いが
きちんと通じ合った幸せのキスで
前回のようにタバコの苦い味はしなかった。
「……本当にタバコやめたんですね」
「なんだよ、前もそうだったけど疑ってたのか?」
「あ、いえ、そうじゃないですけど……ただ、最初は禁煙できたけど途中からまた吸い始めたって話をよく聞くので」
課長も禁煙に
成功したって喜んでいたけれど
気づけば
また以前のように
喫煙者へとなっていたから
タバコを止めるってことは
すごく意思がいることで大変なんだなって思っていた。
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