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「ここ、初めて来たんですけど良い場所ですね」 「うん、良すぎてたまに寝そうになるよ。でも、俺は好んでここで仕事してることが多いかな」 「たしかに、山部さんあまり部署にいませんよね?」 「……うん。どうしても、気になるんだ。ある人の視線が俺以外に向けられてることが」 「そう、なんですか……」 まるで 山部さんの話し方は 同じ部署の人に 片思いをしているような言い方で けれどそこまで 山部さんとは親しいわけではなく これ以上この会話に 踏み入ってはいけない気がして書類へと視線を移した。 「で、煮詰まってるってどこ?主任たちみたいに的確なアドバイスはできないけど俺でも少しは藤井さんの役に立てるかもよ?」 「実は、ここなんですけど……」 場所を変えて 1人で考えてみても 一向に いいアイデアは浮かばず 山部さんへと助けを求め企画書を見せた。 .
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