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色々と アドバイスをくれた 山部さんへと お礼を言って1秒でも早く 出来上がった企画書を 主任に見てほしくて急いで部署へと戻った。 「主任、できました!」 自信を持って 企画書を主任へと差し出す。 「ん、おいといて」 主任は こちらを一切見ることなく パソコンを見たまま声でそう答えた。 「あの……」 「ん、なに?まだ、何か用がある?」 「……いえ。ここに置いときますので、よろしくお願いします」 「ん」 結局 主任はその間 私のことを一度も 見ることなく会話が終わってしまった。 いつもなら 私だけに限らずに どんなに切羽詰まって 仕事をしていても必ず手を止めて こちらを見て話を聞いてくれるのに 今日の主任は手を止めるどころか目すら合わなかった。 .
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