423人が本棚に入れています
本棚に追加
「良かったじゃん、納得のいく企画書できて」
「ありがとうございます……」
……違う。
私が
こうやって
褒めてほしかったのは
花岡さんには申し訳ないけれど主任だった。
もちろん
主任に褒められたくて
企画書を頑張ったわけではないけれど
それでも
主任ならきっと褒めてくれて
私以上に
喜んでくれると思っていたから
思いの外ショックを受けている私がいて
「でもよく、あそこまで煮詰まっていたのに1人で解決できたわね?」
「あ、いえ、私だけの力じゃなくて実は山部さんがアドバイスくれたので」
「山部が?」
「あ、はい……」
山部さんのおかげで
なかなか見つからなかった
解決策に気づくことができて
妥協ではなく自信作の企画書が完成した。
「……ふぅん、そういうことか。主任も案外子供なのね」
「え?」
「藤井ちゃん、何か困ったことがあったら私に遠慮なく相談するのよ?」
「あ、はい、ありがとうございます」
.
最初のコメントを投稿しよう!