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「あ、花田さん。藤井さんの姿が見えないけど、どこにいるか知ってる?」 仕事をしていて ふとした瞬間に デスクに蜜羽がいないことに気づき 花田さんへとそう聞けば ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべる花田さん。 「もー、主任ってば藤井ちゃんの姿が少しくらい見えないくらいで心配にならなくても大丈夫ですよ」 「……違うよ。そんなんじゃないから。ただ、いつも藤井さんデスクで仕事してるから気になっただけだよ」 花田さんの 言葉が図星なだけに 俺はそのことを 花田さんにだけは悟られたくなくて あくまでも平然を装いながらそう話を続けた。 「へー、そうですか」 「……」 けれど どうやら 悟られているようで ニヤニヤとした表情で俺を見てくる 花田さんに反射的にバツの悪さから視線を泳がせた。 ……俺、 花田さん苦手かも。 「藤井ちゃんなら今、執務室にいますよ」 「執務室?」 「企画書がうまくいかないみたいで、だいぶ悩んでるみたいだったので。」 .
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