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でも
彼女のひとことで
俺は一切タバコを吸わなくなった。
別にタバコだけが
コミュニケーションツールではないし
新人の時の俺と違い今更そんなものに
頼らなくても場持たせくらいできるようになったしな。
「……本当、初めてだよ。蜜羽みたいな女は」
今まで
付き合ってきた
過去の女とは
比べ物にならないくらいに
純粋で無垢で汚れを知らない彼女。
だからこそアイツに群がってくる
害虫の存在がたまらなく俺を不安にさせる。
こんなにも誰かに執着して
嫉妬したのは多分、蜜羽が初めてだ……
「まさか、8歳も下のやつにここまで俺が惑わされるとはな……」
力なく
そう呟きながら
空を見上げれば
吸い込まれそうな青空が広がっていた。
「……俺、平常心でいれるかな」
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