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村
思っていたより娘の身長が伸びた。中学一年だが、これでは巨人だ。ざっと二メートルはくだらない。娘ももう学校に来ないでくれといわれている。怖いからだそうだ。二メートルぐらい、どうしたというのだろう。昨日なんか五十センチ縮んだ。だが、翌日、また一メートル伸びていた。ここは小さな村なので、そういった類のものは差別される。先祖の罪だとか、呪いだとか。私がどうしたものかと悩んでいると娘はアメリカへ行くといった。たしかに、アメリカほど適した環境はない。すぐさまパスポートをとり、アメリカへ出国した。が、アメリカへつくと、娘は十メートルになっていた。娘はアメリカの特殊警察に捕まった。私も抵抗したので捕まった。
これはアメリカ警察の会話である。
「先の日本人を日本警察に返さねばな」
「ああ、娘殺しだ。本人は幻覚にやられているが」
「なんでも娘の身長が伸びた伸びたといっている」
「何だろな、人形のように伸び縮みさせていたらしいが」
「それが殺害の手口か」
「ただ、容疑者は、牢で壁に指で血が出るまで何か書いてるらしい」
「ああ、村には帰りたくないってよ」
了
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