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「横石と山川は?」如月が東に尋ねた。
「あ~、応援要請がきて、
今、拳銃を持って逃走している犯人を
追ってるそうですよ」
「そうか……アイツ等の足なら楽勝だろうな」
「まぁ……そうですね。
お陰で俺の出番はなしですよ」
「ははは、東、すねるな」如月が微笑んだ。
カチャ、カチャ、カチャ。
物陰に隠れる玲子と海。
懐から銃を手にすると、
「山川、準備はいい?」
「え? あ、はい。玲……あ、横石さん」
少しだけ表情を緩めた玲子は、
「行くよ……」
と言うと玲子は物陰から飛び出し
走り出した。
自分の前を走る彼女の背中を見ながら海は、
俺はいつもあなたを追いかけていた。
昔も……今も……
そして、これからも……
あなたの背中を……追い続ける。
たとえ、底知れない夜の闇に堕ちようとも。
いつか、きっとその背中を追い越すことが
できるように……。
~ 夜の底 完 ~
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