忍び寄る闇

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忍び寄る闇

 「如月さん、横石と市原のが入国が 確認できました」  東が如月に報告した。  「そうか……で、準備は?」  「はい、いつものように。 駅前のコインロッカーと高架下駐車場に 停めた車両の中に……」  「ご苦労だった」  「でも、今回表向き目立って行動しているのが 市原と横石のみとは……なんか引っ掛かりますね」  「奴等もプロの密輸ブローカーだ。それ相応の 手はずは整えているだろう。日本での拠点となる 場所の特定は済んでいるんだろ?」  「はい、反社の人間がちらほらと出入りしている 場所がいくつか点在していますが……  一番に注目しているのが、この地区の この周辺ですかね」  東が印がつけられた地図に指を点した。  「ふ~ん。ここね……奴等、民間人に紛れて っていうところか」  「善良な市民に紛れて奴等は何をしようと してるのですかね?」  「とにかく、横石からの連絡を待つだけだな」  「そうですね。一先ず無事に日本に帰国して くれれば、援護することはできますからね」  と東が地図に示された場所を見つめながら 呟いた。
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