忍び寄る闇

2/3
前へ
/126ページ
次へ
 「お疲れ様でした。お先に失礼します」  練習を終えた海と大樹は更衣室から 出て来た。  「な~、海、久しぶりに練習早終わりだろ? これからどうする?」  大樹が海に尋ねた。  「俺? 今からコインランドリーかな」  「コインランドリー?」  「うん、洗濯物溜まっててさ」  「うそ、マジで?」  「ほら、俺、大樹と違ってスポーツ推薦 じゃないだろ? だから部の寮には入れなかった から、まぁ、幸い手頃な下宿に入れたから いいんだけどさ、洗濯機いつも争奪戦なんだよ。  だから、大型洗濯機でまとめて洗濯」  「そうか……本来ならスポーツ推薦は俺より 遥かに成績がよかった海のはずだったのにな」  「そんなことないさ。そのかわり俺は 学業推薦だから、もし万が一故障したとしても 大丈夫……」  「故障? 縁起でもねえこと言うなよ」  「ははは、ごめん! じゃあな」  「ああ」  海は大樹にそう告げると、 近くのコインランドリーに向かった。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加