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高架下の駐車場から出て来た玲子、
しばらく歩き、とある雑居ビルの前に
立ち止まった
それを見上げた玲子は、ビルの中に
入り、エレベータ―のボタンを押すと、
エレべーターはゆっくりと下降を始めた。
チン……。
エレベーターが地下一階で停止すると、
玲子は、蛍光灯がチカチカと点滅する
廊下を歩き、古びたドアを開け中に
入って行った。
殺風景な部屋の片隅にベットが
置かれ、中央には二人掛けのテーブルとイス。
玲子は、ベッドの上にトートバックを投げると
自分も一緒に倒れ込んだ。
蛍光灯の灯りを目で覆うように額に
手を当てた玲子。
ふぅ~っと小さく息を吹くと身体を
起こし、トートバックの中の包みと
小さなアタッシュケースを取り出した。
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