とりあえず

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 どういううんちくを語っているのだ。早く物語を展開させなければならない。 「ワールドカップイタリア大会は西ドイツの優勝だったな」和夫は言った。 「君は歳いくつだ?」和夫はレオに聞かれた。 「君と同じに決まっているだろ、同級生なのだから」和夫は答えた。 「それもそうだな」レオは笑った。 「オレの父親はサッカーマニアでワールドカップとかヨーロッパ選手権とか、父親と一緒に幼稚園児の頃からテレビで見ていたな」和夫は父親のことを思い出した。 「オレの親父もサッカーは好きだな」  和夫はレオの答えを聞いてお互いの父親のことを考えた。 「八十年代の中学生は何かしらの形でサッカーに関係していたな」和夫は言った。 「『キャプテン翼』とかコミックがあったからな」 「ところでサッカー部の試合はどうなった?」 「知らねえ、負けたじゃない」 「今年のワールドカップはどこで本大会やるの?」 「忘れた」 「文芸部はどうなるのだ?」 「サッカーのノンフィクションの本でも出してやろうかな?」レオは言った。 「君の文才ならできるよ」和夫は答えた。 「できるかな?」レオは目を輝かせた。 「できる」和夫は制服のブレザーを着た。 「書いてみよう」 「レオは幼稚園の頃サッカーしていたのだろ?」 「していた」 「幼稚園児時点でエースストライカー、すげえ」 「たいしたことないことないよ」レオは謙遜しているようだった。 「どうしてサッカー部に入らないの?」 「やる気ないな」 「中学生のサッカーは嫌なの?」 「そういうことではないけど」レオは少し笑ったのであった。 「これからAIとか出てきて文芸部はどうなるのだ?」和夫は悩みを打ち明けたのだ。
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