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「うち、しょっちゅうバーベキューやるからさ!お母さん……うーん、お母さん二人だと呼び分け困るね」
美織ちゃんが私の腕に腕を絡めて甘えてきて、そのまま悩み始める。
こうやってコロコロ表情が変わるのは本当に新也を見ているようだ。
会ったことはなくても似るものなのだろうか?
「よし!いおママ!今度はバーベキュー!一緒にやろうね?」
呼び名も、誘われたことも図々しく受け入れていいのだろうか?
「いい、の?」
「当たり前でしょ!!ね!?」
そろりと聞くと、美織ちゃんは真剣な顔をして久住さんにも聞く。
「もちろん!美作さんがご迷惑でなければ」
久住さんにも微笑まれてもう今日は何度泣きそうになるのか。
後悔を繰り返して、妊娠と出産を忘れようとしつつも捕われ続けてきた私。
産んでしまったことを悔やんできたけれど、久住さんと美織ちゃんを見ているとそれも報われる気がする。
そして、この日から、
「当たり前でしょっ!!」
笑顔で美織ちゃんが背中を押してくれるようになった。
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