伊織

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 親に相談。  先生に相談。  ……したらどうなる?  テニスも最近は勝てるようになってきたし、春の大会には出たい!!  中三になったらすぐに修学旅行で、最後の夏大!  体育祭があって、嫌だけど受験も終わったら高校生!!  今の生活も、この先の生活も変えたくはない。  遅れてるだけ。  妊娠じゃない!!  ふと考えてしまうのを頭を振って考えないようにする。  でも、春休みも近づいてきた頃…… 「ね、伊織(いおり)、ちょっといい?」  テニス部顧問の鈴木(すずき)先生に呼び出された。  連れて来られたのは保健室。  無言で目を合わせるだけの鈴木先生と養護教諭。 「……とにかく、こっちに座って」  慎重に出される言葉を聞いて思わずお腹に手がいく。  長机を向かい合わせにしてパイプイスは四脚。  その一番近いところに座った。 「……違ったらごめんね。でも、もしそうなら考えないといけないでしょ?」  先生たちも私の向かいに座って口を開く。  ーーー知ってる。  隠さなきゃいけない気がして、でも、話してしまったら楽になる気もして……どっちがいいのかわからない。 「最近、体調もあまりよくないよね?」  顧問のあまりにも優しい声に思わず涙が出てしまう。 「伊織……絶対力になるから!!話してくれない?」  先生たちは一緒に暮らす親でも気づかなかった私の変化に気づいてくれた。
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