伊織

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 そこからの記憶は曖昧だ。  気づいたら家に居て、自分の部屋のベッドで寝ていた。  結局どうなったのだろう?  まだ頭の中がごちゃごちゃでよくわからない。  吐き気を感じつつ体を起こすと、お腹が痛い気がして思わず手をやる。  スマホを見つけて画面を見ると二十三時を過ぎていた。  私はどうやって帰ってきて、どれだけ寝ていたのだろう?  とりあえずトイレ……と部屋を出てまた感じた痛み。  蹲るとそれに気づいたお母さんが走ってきた。  色々言われているのはわかるのに痛みでよくわからない。  反応もできないまま車に乗せられて病院に連れて行かれた。  感じたこともない痛みと底知れない恐怖。  誰に何を言われてもよくわからなくて、ただただ早く何とかして欲しい!! 「っ……何で……っ」  目の前で慌ただしく走り回る看護師さんたちを何とか目にしつつ溢れる涙。  痛くて、苦しくて、怖くて、訳がわからなくて……このまま死んだらやっと楽になれる……ふと浮かんだ思いさえ、また激痛でわからなくなった。
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