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「久住美織(みおり)、十八歳です!」  近くのファミレスに移動すると、自己紹介をされた。  じっと見ると、その目元も鼻筋も……顔の雰囲気は新也にそっくりだ。  あの出産から十八年。  変な罪悪感と喪失感が常に付き纏っている気がしていたが、まさか……。 「ごめんなさい」  深々と母親の方に謝られてむしろ恐縮する。  この女性があの時どうしたらいいのかわからなかった赤ちゃんをこんな大きな女の子になるまで育ててくれた……? 「いえ、謝らないといけないのは私の方です。結局ちゃんとわからないまま出産して、まともに顔も見ないまま、触れることもないままお別れだったので」  目が合うとにこにこと笑ってくれて泣きそうになる。  綺麗にメイクをされた大きな目も、スラリと伸びた手足も、明るい印象的な笑顔も……この子があの頃、私のお腹の中に居た……? 「ね!手、繋いでもいい?」  言われてためらっていると、そっと手を差し出される。  そして、ネイルをした綺麗な指が私の手に触れてしっかりと握ってくれた。 「“お母さん”って呼んじゃ、ダメ?」  手を握ったままで言われて戸惑う。 「え……私にそんな資格……」 「あの頃、十四歳でしょ?むしろ感謝だよ!」 「え……」 「私がって思ったらたぶん産めなかったもん!色々あったかもしれない!でも、結果的に私を産んでくれて……だから今、私は生きてるんだよ!!感謝じゃん!」  しっかり握ってくれるその力の強さにグッときて涙が滲んだ。
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