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伊織
中二の冬休み間近、
「あのね……最近、生理来てなくて……」
幼なじみで彼氏でもある新也に伝えたら、
「は?知らねぇし!それよりクリスマス!みんなでパーティーか二人で出掛けるか……どっち?」
一瞬面倒くさそうにして、新也はすぐに声を弾ませた。
「みんなで……もいいかもね?来年はみんな受験で遊べないかもだし」
空気を変えようと私も明るく振る舞う。だが、
「は?萎えること言うなよ」
「ごめん」
機嫌を損ねたらしく声を低くする新也に素直に謝った。
正解は二人きりでイチャラブデート。
受験とか面倒な現実は口にしてはいけないワードだった。
「俺ん家、両親仕事だし、姉ちゃんも彼氏とデート!……だからぁ?エッチし放題ーっ!!」
これにノらなければまた怒られる。
バカみたいに思考は放棄して騒いで、周りに集まってきたみんなに冷やかされながら新也に抱き締められる。
こうやって笑っていれば私は楽だった。
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