VI

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「捨てられ、た?」 「んじゃないかなと」  ヴィラ•ムラノで私は有紗とホワイトソースのニョッキを食べる。 「もう1ヶ月連絡付かないし」  あれから生田と電話もメッセージも何一つ連絡が付かない。 「あれだけ言いよってたのにそれって、何か事情があるんじゃ」  そんなのは知らない。ただ、開きかけていた心のドアが勢い良く閉まったのだけは事実だ。 (好きになったりする前で良かった)  ほら、やっぱり恋愛は害悪だ。  いい加減にして欲しい。 「向井サンに聞いてみよう」 「あんた達連絡先交換してたんだ」 * 「生田サン、事故に遭って入院してるんだって」
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