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V
「ここは......」
「日本版、パスタ博物館だよ」
生田とのデート、一回目は天井まで様々なパスタが所狭しと陳列された建物だった。ファルファッレ、コンキリエなどの有名どころから、帽子やキャラクターの形をしたものもある。
「1人では来ないところが良いかなと思って」
(確かに1人では来ない)
独特のチョイスだけれども、私はこういうのは好きだ。だって珍しいものが好きなのだから。
生田はラザニアが入ったラベルを手に取る。
「それぞれのパスタに適切な茹で時間があって、一番美味しいときが存在する。これは人生みたいだなって思って」
「生田はいつが一番美味しい時なの?」
「今かな。仕事も順調だし、趣味の料理も上々。婚活もーーやっと希望が見えてきた」
(変な男)
変な男だけれど、生田はエリートだ。こういう自分に自信があって前向きな男に、私は今まで接したことがなかった。
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