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* (我ながら酔狂だと思う)  私は有紗を通して”件の男と出会った婚活パーティー”を知った。男の凡その生活範囲を割り出し、いかにも男がやって来そうな次の婚活パーティーに参加することにしたのだ。  “姉ちゃんが婚活!?”  “うん、まぁ”  弟から実家にある結婚式に参列するときに使っていたフォーマルドレスを送ってもらって、50人規模で開催されるパーティーに参加することにした。  特別な年会費を払ったりする必要のない一回支払いのパーティー。まさか1回目で正解を引き当てるとは。 (結構いい男だ)  彼が話に聞いていた通りの目立つ男で良かった。鍛えられた上腕二頭筋。欧米人のような彫りの深い顔。男は慣れた口ぶりで私を家に誘う。私も準備していた通りに唇で弧を描いた。 「喜んで」
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