夢の代償

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私の欲しいもの…。 私の欲しいものはひとつ。 だけどそれはどう足掻いても手には入らない。 毎夜毎夜あの女性が出る夢を見る。それは少しずつ鮮明になって女性の顔も少しずつわかるように。 人間とは少し違った顔…。 彼女は何者だろう? 現実世界では楽曲制作の日々が続いていた。秋山さんが所属するアイドルグループ『パレットラブ』からも楽曲制作の依頼があったので、少しだけあの時の仕返しをしたい気持ちと彼女に頑張って欲しい気持ちで秋山さんには少しだけ難しそうな音域の曲を制作したが彼女はその曲では コーラスパートしか与えられなかった。ソロパートすらないのは悔しいだろうがこれを機会にボイトレーニングに力を入れたと聞きホッとした私がいた。 やっぱりどこかで秋山さんを応援したい気持ちがあったんだろう…。 また私は夢の中。 あの女性の姿が見える。 それは人間とは違う何か…。 彼女は泣いていた…。 恋しいあの人と同じ世界には住めない事に。 彼女は泣いていた…。 恋しいあの人と結ばれたいと。 彼女は泣いていた…。 幼い頃助けてくれたあの人と同じ姿になりたいと。 海の魔女にお願いしたけど処女の髪の毛だけじゃ足りないって…。 (海の魔女?) 彼女は私の方を向くと『あなたが欲しいものはなあに?』と聞いてきた。
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