お城の舞踏会へ?

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お城の舞踏会へ?

一日の仕事を終えて、従業員出入り口から外へ出ると、既に香雅里さんはそこにいた。 「花蓮ちゃん!」 「ごめんなさい。お待たせしました」 「謝らないで。私が勝手に待ってたんだから」 どうやら香雅里さんひとりのようで、OFFは見当たらない。 「颯真も、昔はあんなに口が悪くなかったのよ。でも、本当は優しい人だから」 香雅里さんは歩きながらそう言った。 とてもそんな風には思えないけど? 私に対する態度は悪意に満ち満ちてる気がする。 香雅里さんについて2つほど角を曲がると、そこに大きな外車が停まっていた。 「従業員出入り口の前だと邪魔になると思ったから、ここで待っておいてもらったの」 そう言って車の前に立っている。 ドア、開けた方がいいのかな? そんなことを思っていると、運転手が急いで降りてきて、ドアを開けた。 やっぱり、そーなるんだ…… 車に乗ってから、不安になってきた。 食事って一体どこに行くんだろう…… お金足りるかな…… 高級フレンチとか連れていかれたら、マナーとかわからない…… 「今日ね、颯真が『中華食べたい』って言うから、中華なんだけど、花蓮ちゃん好き?」 「はい、何でも」 良かった。中華なら箸だよね? 「わがまま言う代わりに颯真の奢りだって」 まさか、わたしが困らないように、OFFが気を使ってくれた? そんなわけないよね? 「皆さんは、どういうお知り合いなんですか?」 「柊真と颯真はわたしの幼馴染なの」
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