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エレベーターを降りると、早足で「倉庫」と書かれたプレートの貼ってある大きな扉の前に連れて行かれた。
「この中を片付けて」
「ここをですか?」
「あなたがIKEDAにいる間は、これがあなたの仕事。お昼もここで食べて。みんな、あなたがいるとせっかくの休憩時間に不愉快な思いをするから」
女性は、もう一度ため息をつくと、わたしをその場に残して行ってしまった。
大きなドアには鍵がなく、開けると少し埃の匂いがした。
それに空気がどんよりとしている。
フロアの中を見渡すと、あらゆる階と店名の書かれたダンボールが乱雑に置いてある。
部屋の四隅は天井までの高い棚になっていたけれど、そこにも法則性のないまま適当に段ボールが置かれているようだった。
明日から、もっと動きやすい服を持ってこよう。
ここなら制服じゃなくても許されるよね?
バケツと棚を拭く雑巾が欲しいけど、誰に言ったらいいんだろう?
床の埃を掃くのに掃除機も借りられるかな。
売り場と違って、照明の暗い部屋の中にしゃがみ込んだ。
ここなら残業もなく定時で帰れる。
それに……
今はまだ思いつかないけど、きっと何か……いいところも見つけられるはず。
意味のない仕事なんてないんだから。
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