魔法の時間

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マンションの前で車を降りると、なぜかOFFまで降りてきた。 そして、車のトランクから両手いっぱいの手提げ袋を取り出して、わたしに渡してきた。 alternativeのスタッフが車に入れてたやつ。 「これ?」 「プレゼント。何て言うんだっけ?」 「あ、ありがとうございます。でも、こんなに……」 「見返りが欲しい」 「え? あ? でも、わたし背が高いだけで貧弱なので……」 「バカなのか?」 「違うんですか?」 「今日、一度もオレの名前を呼ばなかったろ? 名前を呼べ」 「御堂さん」 「違う。颯真って呼べって言ったよな? それから敬語もやめろ」 「颯真……さん」 「『さん』いらないから」 「颯真」 「お休み、花蓮」 颯真は一旦車のドアに手をかけて、思い出したようにこちらを向いた。 「ゴミ箱の件、電話して聞いたらその通りだった。場所を変えることと、フタ付きのものに変えるよう指示した。ありがとう」 「いえ……おやすみなさい」
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