パーティ

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「ほら、挨拶に行くぞ」 「はい」 颯真に連れられて、会場の真ん中まで行くと、綺麗な銀髪の女性がそこにいた。 その横にはいつの間にか香雅里さんがいて、こちらに気がついた。 「花蓮ちゃん素敵! と、颯真」 「その言い方」 「花蓮ちゃん、紹介するね。私のお祖母様」 「初めまして」 香雅里さんの祖母だと紹介された女性がわたしを見て、微笑んだ。 「……お誕生日おめでとうございます」 「ありがとう。小鳥遊さん」 「お祖母様、花蓮ちゃんと知り合い?」 「ちょっとね。今度は颯真くんなの? 相変わらずね」 「ひどいなぁ、深水会長。そこは『あなた幸せ者ね』でしょう?」 「そう言うのなら、颯真くん、小鳥遊さんを幸せにしてあげなさいよね」 この人が深水グループの会長さん…… 「花蓮、オレといて幸せだよな?」 急に話をふってこられて驚いたけれど、にっこり笑って言った。 「十分すぎるくらいです」 この言葉に嘘はない。 「ねぇ、お祖母様は花蓮ちゃんとどういう知り合いなの?」 「前に、ケーキフェスタでお会いして、おすすめのケーキを教えてもらったの」 「はい。その節はたくさんお買い求めいただきありがとうございました」 「いいえ。こちらこそありがとう。ゆっくりしていらしてね」 それだけ言うと、会長さんは、秘書のような人に声をかけられ、行ってしまった。 わたしとどうして知り合いなのか、会長さんは知られたくないようだった。 だから咄嗟に口裏を合わせたけれど、どうしてあんなことをしているのか、見当もつかない。 深水グループの会長さんは、池田株式会社に出入りしている、清掃会社の深川さん、その人だった。
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