八作村にて

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「この辺まで来たらいいかなあ?それにしても落合さん、軽い。 チャーハンとか好きで太らないとか、まだまだ若いですねえ」 「ちょっと、降ろして、あ、あそこの自販機のところ!」 「へーい」 村外れの人のいない林の手前の自販機で、僕は着地した。 「の、喉、乾いた、なんか、買う、それから、あ、ありがとうっ」 息を切らしながら落合さんが礼を言い切った。 そしてふらつきながら自販機へと向かう。 「あー、この、自販機特有の炭酸ジュースが、えへへへっ」 「ジュースはともかく、どうします?これから。 とりあえず生贄っていうの?それは逃れられたようですよ。 飴玉が降るのがゲート?ゲートに生贄?よくわかんないけど、 ともかく、飴玉が降るのは、明日。それまで村の中を逃げ回るとか、 そんなのできないし、だって夏だし、熱中症とか蚊とか。 僕は幽霊だから関係ないけど」 「具体的に、どうも。あたりめーだろ、無理だわ、帰るわ」 「帰さないわよ」 伊崎美麗さんが突如として出現してきた。
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