【プロット】大怪我をした資格コレクターが井戸の中で絶望する

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 生まれ育ったN県S市の山間には、今は使われていない古井戸が至る所にある。  かつては湧き水が至る所にあったが、今では枯れてしまい井戸も干上がってただの穴になった。  入り口には(ふた)をして猫が落ちないようにしている。  俺の家にも一つ古井戸がある。  ぼうぼうに雑草が生い茂った一角に、1メートル四方ほどの木の板を乗せ重石(おもし)をしただけである。  その穴に、あろうことか俺自身が落ちたのだ。  しかも衝撃で呼吸もままならず、大きな声が出せない。  とびとクライミングインストラクターの資格まで持っている、マニアの俺でも体が言うことを聞かなくて困り果てた。
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