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ぼくは金魚か鯉のように口をパクパクさせる。
いきなりエッチはハードルが高すぎるけど、抜いてくれるだけだったらクリア出来そうだ……
──じゃなくて! ダメだよそんなの! これ以上したら!
今だったらまだ間に合う。
実はぼく、間違えたんです。
歩太先輩が好きだから、聖先輩とはお付き合いできないんです。だから聖先輩がいくらぼくと付き合っていけそうだと思っても無意味なんです。
そうやって言えばいい。
簡単なことじゃないか。
大丈夫。たとえ不機嫌にさせたとしても、元はと言えば聖先輩が勘違いしたのが悪いんだから。
「どうするんだ」
何も答えないぼくに痺れを切らした聖先輩は、ムッとしながらさらに体の内側に手を滑らせる。
またさらにビクンッと肩が跳ねて、その弾みで下着にシミを作ってしまったような気がして、冷や汗をかく。
ぼくは天使の小峰 雫。
何をやらせてもいまいちだけど、マナーはちゃんと守ります。だから聖先輩の申し出も、きちんとお断りをします。好きでもない男に抜いてもらうだなんて言語道断。ぼくは歩太先輩とハッピーエンドを迎えるために日々頑張ってきたのです。
勃ってしまったものはしょうがないです。辛いけど少し我慢をして、家に着いたら思い切り欲を吐き出せばいいでしょう。それこそが善人の行いです。
耳元にいた天使のぼくは、聖先輩の長い指の爪先がぼくの睾丸に布の上から触れてしまった瞬間、ぷちっと潰されてしまった。
「お願いします」
あぁー! もうっ! ぼくの馬鹿ー!
なんでこんなに意思が弱いのだ。
流されやすい自分が情けなくて両手で顔を押さえていると、聖先輩は小さく返事をして、ぼくのベルトを外しにかかった。
「あの、聖先輩」
「何」
「このことは、誰にも……」
恥ずかしさのあまり涙目になって懇願すると、聖先輩はじっとぼくを見つめて吹き出した。
「当たり前だろ」
そう言いながらボタンを外してチャックを下げる。
勃ちあがりすぎて圧迫されていたから、少しだけ解放された気分になる。
「尻上げて」
「は、はい」
脱がせやすいように腰を浮かせると、聖先輩は制服とトランクスを一緒に一気に下へ引っ張った。
ぼくのピンク色の元気いっぱいなものが顔を覗かせた。亀頭部分には怪しい水溜まりができていて、黒いトランクスの内側はびっしょりと濡れていた。
「あ、凄いな。先走りでぐっしょり」
「あっ……ん」
いきなり卑猥なことを言うから、それだけで体の奥がゾクゾクした。
ピクン、とそれがまた反り返って、亀頭にじんわりと水をますます貯めていく。
衣類は全部脱がされず、膝あたりで固定される。
足を動かせば足首まで脱げそうだけど、聖先輩が両足の間に膝を入れてゆっくりと押し倒してきたので身動きが取れなかった。
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