◇第2章◇ センパイとお付き合いすることになりました。

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 ぼぼぼっ、と顔に火がついた気分だ。  いつも無愛想でみんなの前ではクールに振舞っている聖先輩が、ぼくにはこんなにも可愛いお強請りをしてくるなんて。 「嫌なら、別にいい」  そしてほら、いつもの。  聖先輩はムスッとしながら、少し赤い顔をして視線を床に落とすのだ。  これはきっと照れてるんだ。本当はして欲しいって思ってるくせに、強くは言わない優しい聖先輩。  バクバクと心臓が鳴る。  ぼくの手は勝手に動いていた。  人のベルトを緩めるだなんて初めてやるから、上手く外せない。  ……いや、勝手に手が動くだなんて嘘。  これはぼくの意思だ。ぼくは先輩と一緒に気持ちよくなりたいって思ってる。  聖先輩はぼくの行いを静かに見守っていた。  ベルトを外し、ボタンを緩めてチャックを下ろそうとするけど、先輩の股間も膨らんでいて、履いているボクサーパンツに引っかかってしまった。 「あの、痛くないですか」 「ん、大丈夫」  注意深くもう一度チャックを下ろし、ばさ、と制服のズボンが床に落ちる。  聖先輩は片足ずつ上げて、足首からズボンを取り除いた。  白い生足姿の聖先輩は、唇を尖らせながらぼくの足の間と自分の太ももあたりを交互に見比べる。  ドキドキが止まらないんですけどーー!! 「な、な、なんですかっ」 「いや、この格好、なかなか恥ずかしいなと思って」  いや、ぼくなんて丸出しですから。  聖先輩もはやく同じ格好にしてしまおうと、ぼくはボクサーパンツのウエストに手を入れて、ゆっくりと下ろした。  聖先輩のそれは、ぼくと同じかそれ以上に勃ちあがっていた。ぼくはそれと聖先輩の顔を素早く何度も見比べる。 「お前こそ何なんだよ」 「いや、なんかせんぱいのっ……」  変な感じだ。  他の人のを見たことがないから比較は出来ないんだけど、聖先輩のって普通の人よりも結構おっきめなんじゃあ……  とても口には出せずにあたふたしていたら、聖先輩はまた足元に引っかかっていたボクサーパンツを近くに足で投げてソファーに座って言った。 「今度はお前が、跨ってみて」  ぼくは、心臓麻痺で死ぬかもしれません。  聖先輩が肩幅くらいに足を広げる。  聖先輩の言葉に真っ先に思い浮かんだ疑問は、どこに? だった。  けどそんなの考えれば分かることだ。足の付け根の下くらい……きっと先輩の太ももらへんに座れってことだ。  やっぱり、抜き合いっこをするんだ。  ぼくのそれももう限界で、引き下がれなかった。  ぼくは片膝をゆっくりとソファーに沈みこませる。ずず、と布地のカバーの下で軋む皮の音。足と布が擦れる音、聖先輩の息遣い。  何もかも過敏に反応してしまい、ぼくの息や熱もどんどん上がる。  片方の足もまわして、聖先輩の足を跨ぐ。  膝立ちになった状態からゆっくりと腰を落としていって、最終的には太ももの上に尻をつけ、座ることに成功した。   「俺に体重かけていいから」  気を遣って膝に力を入れていたのを見抜いたようで、聖先輩はぼくの腕を持って、自分にしがみつくように言った。  首の後ろに手をまわし、完全に体重をかける。  顔だけ横向きになって聖先輩の鎖骨の下あたりに頬を擦り付けると、ドッドッとバスドラムみたいにうるさく刻む心臓の音が聞こえてきた。聖先輩もかなりドキドキしているみたいだ。  少し足を動かしたら意図せず互いの隆起したものが触れ合って、そこからじわじわと甘い疼きが波紋のように広がった。 「あっ……ん」 「お前はそのまま、楽にしてろ」  え、抜き合いっこするんじゃ……と顔を上げようとした時、先輩の大きな両手が二人分のものを包み込んだのが見えた。
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