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「……これで、良いのかな」
翌日、昼下がりにて。
ぼんやり辺りを眺めながら、一人ポツリと呟く。そんな私がいるのは、六畳ほどの一室――図々しくも昨夜から居座っている、エリスの部屋だ。
ただでさえ迷惑を掛けているし、私としては事が済めば速やかに去るつもりだったのだけど……行く宛がないならここにいれば良いと、なんとエリスの方から提案してくれて。甚く申し訳ない気持ちはあったけど……この上もなく有り難い彼の言葉に、今こうして甘えてしまっているわけで。なのに――
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