衝撃

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衝撃

「……今日も、誰も来ないか」  朧な月が仄かに照らす寒空の下、独り呟きを洩らす。そんな私がいるのは、例の廃れた船の上――ここでお客さんを待ち構え、あの廃れた船室へと移動し事に及ぶという流れで。  ただ……あれからおよそ二週間、お客さんどころかほとんど人の通る気配もなく。まあ、こういう仕事であるからして、あまり人通りの多い所は選びたくないので致し方な……いや、そもそも仕事と呼んで良いのかも定かでないけど。
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