衝撃

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「…………へっ?」  卒然、凛とした低い声が届きハッと顔を上げる。すると、そこにいたのは端整な顔立ちの男性。恐らく、歳のほど20前後……それでいて、何処か(かげ)のあるような―― 「――俺はエリス、あんたは?」 「……へっ? あ、えっと……私はソフィ、です……」  すると、不意に届いた問いに呆然とする私。いや、本来なら何ら驚く質問(こと)じゃない。ないのだろうけど……私としては、結構な衝撃で。だって……名前を聞かれたことなんて、もういつ以来というほどご無沙汰だっ――  ……いや、それはともあれ―― 「……えっと、エリスさん。こうして、私に話し掛けてるってことは……その、そういうことですよね?」  そう、期待を込め尋ねてみる。……うん、我ながらほんと呆れ果てる。ついさっき死んでも良いなんて言いながら、希望が見えた途端これなんだか―― 「――ああ。……だが、その前に――」 「…………へっ?」
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