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八月二十三日。深夜の子守峠を一人の男が訪れた。麻衣と静香の父、田崎真司だった。
田崎は警察がいつまで経っても犯人を逮捕できない事に痺れを切らし、自ら犯人を見つけるため事件現場に赴いた。
ナイフを握りしめて車を降りる。犯人は深夜の子守峠に身を潜め、通行人を無差別に襲っている。田崎はそう推測し、犯人を見つけたらナイフで殺してやろうと思っていた。
懐中電灯で前を照らしながら歩いていると、女の声が聞こえた。
「もし、そこのお方」
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