俺とお前と好きと嫌いとチョコミントアイス

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俺とお前と好きと嫌いとチョコミントアイス

新居を探しに類が渡米した。 最後まで一緒に行こうと言っていたが”着いて行こう”と決心してから時間も経っていなかったので、気持ちの整理をする為にも今は1人でいるのがいい、そう思い類を1人で送り出した。 自分の中で決めていたのは、類にプラスになる資格を取ること。 今はリモート授業も豊富なので、たとえ海外に行ってからでも資格は取れるだろうと。 そんな矢先、類が海外のインタビューを受けている姿がテレビに映し出された。 テレビ映えする被写体だな、軽くそう思いながらそのインタビューを聞いていると類が言ったことに周りのマスコミ各社が絶句していた。 え?なに?なんて他人事のように画面を眺めていた俺は類が言った言葉が頭を反芻していた。 イ)こちらのチームに合流するのはもう少し先になりますが、1人でこちらに来られるのでしょうか? 浮いた話を聞きませんがどなたかといらっしゃる…という事もあるのでしょうか? 類)はい、大切な人に支えてもらいたいのでこちらで結婚出来ればと思っています。 イ)そ…それは大スクープじゃないですか? ではその方とこちらにいらっしゃると言うことなのでしょうか? 類)はい、そうなれば最高です。 話はまだ続いていたがその部分だけが木霊するように頭の中を駆け巡っている。 唐橋さんの言っていた”外堀”ってこう云う事だったのか、と。 もう一緒に行くってのは決めた、でもそれをここで発表しなくても…。 次の日、テレビや新聞、ネット界隈の盛り上がり方は半端なかった。 今まで浮いた話一つない類の”大切な人”発言は野球選手を目指す子供達から女子高生、お母様方、野球ファンと多種多様に渡って世の中をざわつかせた。 俺は怒っている、勝手にあんな事言って、一緒にあっちに行った時、相手は俺だってわかってしまうじゃないか、まだ両親にも話してないのに、どーしてくれんだ、と。 まだ類が日本に帰ってきいないにも関わらず、マンションの外にはマスコミがいておいそれとは出ていけない状況だ。 男の俺が出て行っても大丈夫だとは思うけど、何があるかわからないから、とりあえずは家の中でじっとしている。 メールをしても『いいじゃん、本当のことだし』と他人事の様に返事を返してきた。 あんまりに腹が立って『外堀埋めてんじゃねーよ、このバカ類』とスタンプ入りの怒りメールを送ったら『埋まってるだろ、もう逃げられないから覚悟して』このメール、どんな顔して返信してるのか、こいつ笑いながら打ってんだろうな。 ここはセキュリティーのしっかりしたマンションだから、部屋にいるには何の問題もない。 最悪一階にあるコンシェルジュに言えば食材も買えるしね。 どうすんだよ、マジでバカだな、あいつ。 でも親から全く連絡ないんだよな、あの人達類のファンだからうるさく聞いてきそうだけど…ってまさか親に言ったりしてないだろうな?いや、あいつならやりかねない。 もう一度メールする。 『もしかして親になんか言った?』 数秒後類からメールが来た。 『あー、息子さんを僕に下さい?って言いに行った』 はぁ?? ついつい大声で叫んでしまう。 『マジで?嘘だろ?』 『誠心誠意お願いしました』 親に連絡するのが怖い。 でも… 『2人で行けば良かっただろ?1人で行くなよ』 『行ってくれたんだ…』 スマホで類のアドレスを出し電話をかけた。 メールが出来るなら、電話とれるだろう? 「はい」 「俺だってもうお前と一生一緒にいるって決めたんだ、相談くらいしてくれ、ってか、外堀埋めすぎだろ…」 「俺にはお前しかいないんだ、だから出来る限りの逃げ場を失っておけば海斗は俺から逃げられないだろう?」 唐橋さんの言った言葉が、急に頭をよぎる。 『類のあの態度は子供が大切なものとられたくないから手に入れたいって行動そのものじゃん』 ホントそのまんまだな… 「どんだけ俺の事好きなんだよ…」 「好きだよ、野球を続けてきたのはお前がいたからだ」 「お前…恥ずい、もういい、切るぞ」 「海斗…本当に一緒に来てくれる?結婚してくれる?」 「一緒には行く…けど、けっ結婚はあれ、、あれだ!こ、国籍がとれたらな!!」 この期に及んでまだ逃げ道を探してるな、俺… 「じゃあ絶対国籍取れる様に頑張る!」 「…わかった、期待してる…、じゃぁ」 その後は照れ隠しもあって、すぐ電話を切った。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「ありがとうございました」 ノートパソコンの電源を切って画面を閉じる。 家から出られないので、講義をリモートで詰めて勉強に励んでいた。 そろそろ空港に着いた頃かな? テレビをつけてニュース番組を見る。 帰って来たらきっとニュースに出て来るだろうと踏んでつけたけど、速報でも入ってこない。 すると玄関の鍵の開く音がして本人が帰ってきた。 「ただいま」 「えっ?早くない?」 「驚かそう…ってのもあったんだけど、マスコミに揉みくちゃにされそうだから、韓国経由で帰ってきた。」 向こうでも相当追い回されたんだろう、うんざり顔で荷物をほっぽり出して俺に抱きついて来た。 「海斗だ…」 「汗臭い」 「ちょっとくらい我慢して」 腰に腕を回し肩口に顔を埋めてくる。 「お前のせいで家から出れなかったんだぞ」 「…ごめん」 「勝手に何でもかんでも決めやがって」 「ごめん」 「親のこともそうだ」 「うん」 「パートナーになるなら俺に相談してくれ」 顔を上げて両手で腕を引いて俺を見る。 「パートナー…って…」 「電話でも言ったろ、結婚はまだでもこっちならパートナー制度使えんじゃん?それ申請してみる?」 「…マジで??」 「俺、お前に嘘ついたことある?」 そしてもう一度力一杯抱きしめられ、俺から類の顔を覗き見る。 「仕方ないから捕まってやるよ、俺の完敗だ」 「海斗…」 心なしか声が上擦ってる類を身近に感じるなんて中々ないことだ。 俺がこいつをこんな風にしてるなんて信じられない。 「だから堂々としよう、俺は隠れるのなんてしないからな」 「いいの?周囲に知られるだけじゃない、この調子なら日本中、世界にも知られるかもしれないよ?」 そんなこともうとっくに知ってるよ。 「わかってる、幸せだって言ってやろうぜ」 「…海斗…我慢できない…」 「えっ?」 そっいって類が俺の腰あたりに反り立つ立派なモノを押し当てて来る。 「それただの疲れマラってやつだろ?」 「なわけないじゃん、カッコいい海斗にムラッと…」 頭を軽く叩いて類が”いてっ!”と言った。 「ならとにかく風呂入ってこい、俺も…用意はしてある…から…」 またガバッと身体を引き剥がされて急にキスをされる。 「速攻で入って来る!!」 と身を翻して着ていた服を脱ぎ散らかしながらバスルームに消えて行った。 そう、俺はあいつとの初めての為にここ何日間か試行錯誤しながら準備してたんだ。 こんなに早く帰って来るとは思わなかったけど。 でももう決心はついている。 寝室に待ってるなんて恥ずかしくて出来ない、だからソファに座っていたけど、じっとしてると居た堪れなくなるから、ダイニングに座ったりと、うろうろしてたら腰にタオルを巻いただけの類がドタドタといかにも急いできました!な感じて俺の前に現れた。 「早くない??」 と言葉を言うのと同時に抱き上げられ寝室のドアを開けるとベットに横たえさせられ、上に乗り上げて来た。 何も言わず黙ったまんま軽くキスをされると、服を脱がされ、類も腰に巻いたタオルを取って床に放り投げる。 部屋はカーテンから指す月明かりのみで、お互いはっきりと見えるわけじゃないが、こうやって向き合ってる事に急に恥ずかしさが込み上げて来た。 腕で顔を隠し、類から顔を逸らす。 「なんで顔隠すの?」 「なんでって、恥ずかしいだろ、お前とこうやって向き合うなんて、この間以来だし。」 ほら、と腕を取られてシーツに縫い付けられる。 「カッコいいよ、海斗」 「…何だよ恥ずかしいだろ…」 逃げ場がないくらい、覗き込まれて軽いキスを唇や頬、おでこ、目の上、こめかみと色んなところにしてくる。 「どこにキスしてもしたりない、海斗の全部にこの唇が触れていたいって言ってる」 そう言って今度は胸元に顔を下ろして乳首にキスをする。 「かわいい…」 張り詰めた乳首がいつもとは違う姿を見せる。 そこを類の長い舌が触れてぺろっと舐められる。 「あっ…」 緊張しているからか、その張り詰めた乳首に触れただけで、腰まで痺れがきた。 そして今度は触れていない方の乳首を片方の手で摘んでくる。 「あっ…それ、ヤダ…」 「気持ちいいだろ?もっとしてあげる」 舌の柔らかいところに乳首が当たりそれを押し付けては舐められる。 感じたことのない快感が乳首の先からペニスへと流れ、半立ちだったそこは天井を向いてそそり立った。 「気持ちよさそう、いっぱいここから気持ちいいってトロトロと海斗のものがてでるよ」 先走りが出てる、自分でもわかるくらい、止まらない。 「ここも触って欲しい?」 「あ…やっ…」 「どうする?海斗…」 「やっ…」 「ほら見て、ピクピクしてるよ…」 ピンク色のペニスがピクピクと動き神経が全てそこに集中し敏感になっている。 触りたい…触りたい…触りたい… 自然と手がそこに向かって行く。 「ダメ」 途中で類にその手を阻まれてシーツに縫い付けられる。「あっ…やだっ…触りたい…」 「なら言って、言ってくれたら俺が触ってあげる。」 我慢しすぎて涙が出て来る。 「お…お願い…類、触って…」 「いいの?」 「早く…」 類の大きな手が触れて握られた瞬間気持ち良すぎて震えがきた。 優しく上下に扱きながら類の唇が乳首を舐める。 「ああっ…いやっ…あああっ…」 「海斗かわいい…」 「ん…っ、い…っいっちゃう…やっ…」 「いいよ、イッて」 「類、ダメ、ホントイッちゃうから…離して!」 そう言った途端、頭のてっぺんからペニスに快楽が辿って白い白濁した精液が勢いよく飛び散った。 「はぁ…はぁ…んんっ…」 気持ち良さで瞳にはいっぱいの涙が溜まり、それを類が舐め取って来くる。 そのまま唇に吸い付いて口の中でお互いの舌と唾液を絡ませる。 飛び散った精液を集め俺の方足を持ち上げながら秘部に塗り入れた。 「海斗が慣らしたここ、もう少し広げようね」 中指がトロトロの聖液と共に少しずつ入って来る。 初めは違和感が先に来た。 でも… 「ああっ!!」 シーツを咄嗟に握りしめると自分からとても大きな恥ずかしい声が飛び出す。 恥ずかしい…恥ずかしい… 「この辺かな?」 もう一度同じあたりを何度か擦り付けられると知らない快楽が飛び出した。 「やっ!あっ!やだやだやだやだぁぁぁ!」 「気持ちいい?」 そこから指を増やされ強弱をつけ差し入れられ、快楽が頂点まで上り詰めた時、指を引き抜かれ、俺をうつ伏せにして腰を高く引っ張った。 「初めてだから今日はこの体勢で…」 そう言って尻に当たる類の大きなペニスをゆっくり突き入れていく。 「あ、あ、あっ!!」 「短い呼吸して、痛くない?大丈夫?」 「あっっつ…大丈夫…はやく、奥まで…ちょうだい!」 「くっそ!可愛すぎ!!」 そして奥まで突かれると、もう自分が自分でなくなるくらい頭がポーッとして身体中が痺れてきた。 「恥ずかしいけど、俺すぐイキそうだ」 「おっ…俺もいっちゃう!」 握りしめたシーツがぐちゃぐちゃになる程握りしめ、突き立てる類のそれに全てを持っていかれる。 「イク、いく、いっちゃう!!」 「なら一緒にいこう、海斗」 言った瞬間自分のペニスからたくさんの精液が飛び出し、類も俺の中にドクドクとたっぷり出し切った。 うつ伏せのまま息も荒く倒れ込んで、その横に類もベットに身体を預けた。 頬に掛かる俺の髪をかき上げ、顔を自分に寄せておでこにキスをされた。 「やっと、俺のものだ…」 「類…」 言葉もなく名前だけ呼んだ。 「好きだ…」 「ふふっ、俺も」 まだ息は整っていないが、俺も彼の顔を寄せて唇に触れるだけのキスをした。 「大切にしろよ、じゃなきゃ許さない」 身体を引き寄せられ抱きしめられた。 「もちろん、任せとけ」 「なぁ。それまた大きくなってない?」 足のあたりに当たるこれって、それだよな。 「海斗が可愛い過ぎるから」 「何言ってんだ…」 そう言ってそれから明け方まで2人でもつれ合いながらお互いの身体を貪り合った。 カーテンからは朝日が覗き、疲れた2人はそのまま倒れ込んで昼まで眠り込んだ。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「はい」 ガラスのデザート皿の上に乗ったアイスを差し出すと、類は驚いた顔で俺を見た。 ダイニングの椅子に座った類は固まったまま動かない。 「俺が好きなら、俺の好きな物も好きになってもらわないと」 ごくん、と唾を飲み込んでスプーンにチョコミントを掬い口に入れようとしたが俺を見て 「食べなきゃダメ?」 久しぶり、こんな顔。 「だって類は俺が好きなんだろ?」 「それはもちろん!好きだよ、でも…」 「でも?」 スプーンをとって口に持って行く。 「はい食べて」 首を傾げてニコッと笑ってやる。 「あーん」 恐る恐る口を開けて目を瞑って口の中にチョコミントアイスを入れてやる。 「どう?美味しい?」 眉間に皺を寄せて 「…まずい」 もうその顔を見ただけで満足だ。 「よく出来ました、あとは俺が食べるから大丈夫だよ、でもまだ食べられないんだな」 「こんなマズイの好きだなんて信じられない」 「そうか?めちゃくちゃ美味しいじゃん!」 塁を横目に口いっぱいに頬張る。 「なんか全部お前の思い通りでムカつくから、これくらいの仕返しは妥当だろ?」 「海斗の意地悪」 「そうですよー、俺は意地悪なんだよ」 類の手が伸びてきて口元についたアイスをティッシュで拭かれた。 「そこは指で拭って舐めてくれるんじゃないの?」 「いくら海斗が好きでもこれだけは無理。」 お互い見つめ合って笑った。 この関係がいつまで続くかわからない、でもこんな風にいつまでも笑い合える2人でいられたら、それはそれで幸せだ。 「アメリカでトップにならなきゃ別れてやるからな、覚悟して俺を側に置け」 「望むところだ」                    END
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