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夏希side
「ん~……やっぱ、目赤いし、腫れてるし、俺行って来るよ」
「うん……分かった。俺の分も、お礼言っといて?」
「分かった」
え~っと…803号室
ここでいいんだよな?
ピンポン
「はい」
「あの、昨日イチゴ頂いた、天海 雪の友達です」
「……あ、はいはい。ちょっと待ってね」
ガチャ
「初めまして。白峰 彩雪です。今日は、お友達だったんだね?」
「…………え?」
なっ?!
雪……の兄ちゃんかと思った
兄ちゃんなんて、居ないけど
「?あの…どうかした?」
「あっ!大丈夫です!初めまして。柊崎 夏希です。イチゴ、ありがとうございました。すっごく美味しかったです!雪も、お礼言っといてって言ってました」
「いや、こちらこそありがとう。すっごく助かってるよ。また、少し持ってってくれるの?」
「はい。全部食べちゃったので」
「えっ?!あれ全部?凄いね。やっぱり、若い子に声掛けて良かったぁ~……あっ!変な意味じゃないよ!あの…年寄りより、沢山食べれるって意味で……」
すっごく焦ってる
「ははっ。分かってます。俺、イチゴ大好物なんで、嬉しいです」
「雪君も言ってた。雪君は、今日居ないの?」
「えっと…今、風呂に入ってて……」
目、腫れてるからとか言えね~し
「そっか。ちょっと待っててね」
「はい」
びっくりした~
あんなん、ちょっと年取った雪だぞ?
世の中似てる人が3人居るって言うけど、1人目だな
でも、雪が言ってた通り、危ない人ではなさそうだ
キスしたいんじゃなく 夏とキスしたい
あれは一体……
どういう意味だ?
「……あ~~全然分かんね~!けど……」
ごめん…我が儘言った……
「いや…あんな顔で、あんな事言われたら……キスくらいしてやれば良かったか?」
「えっと…柊崎君?」
え?
「うわぁっ!!」
「わぁっ!」
「び…び…びっくりした~!」
雪が、キスしに来たのかと思った!
「ご…ご…ごめんなさい!何回か声掛けたんだけど……」
「あ…いえ……気付かなくて、すいません」
「はい、これ。また2袋いけそう?」
白峰さんが、袋いっぱいのイチゴ2袋を渡してくれる
「全然いけます。ありがとうございます」
「良かった~。今年は、腐らせずに済みそうだよ。まだあるから、食べれそうなら、取りに来てね?」
「はい!ありがとうございます!」
「あの…柊崎君」
「はい?」
「えっと……余計なお世話かもしれないけど……」
「はい?」
「その……キスは、ちゃんと……大切にしたいと思う子と……した方がいいかな……なんて思ったり……します」
え?
「えっと……あの……さっきの、聞こえてました?」
「すいません……聞こえてしまいました」
「………」
え~~~~~~~!!
恥っず!!
え?
俺、なんて言ってたっけ?
「その……今の子達は、あんまりそういうの、気にしないのかな?ごめんね。余計な口出して」
「いえ……あの………」
いや、待てよ?
聞かれてたんなら、聞いてみるか?
なんか……白峰さんモテそうだし
「ん?」
「キスしたいんじゃなく、俺とキスしたいというのは……一体どういう意味なんでしょう?」
「え?…ええっ?!」
「え?!なんすか?!」
なんか、白峰さんの顔…真っ赤なんですけど
「そ…そ、それは……どういったご関係の方から言われたのですか?」
何故、敬語?
「友達です。ふざけて、そういう事してくるような奴なんですけど……」
ってか、雪ですけど
「ふ…ふざけて…するんですね~?えっと…その方…柊崎君に……好意を寄せてらっしゃったりは……?」
好意を寄せるって……
「好意ですか?まあ、嫌いではないでしょうね?ふざけて、好きだとか言ってきますし」
「ええっ?!」
「え?」
「く…柊崎君……君……いや……えっと……柊崎君は、その方の事、どう思ってるの?」
「どうって……凄く面倒な奴なんです。全然言う事聞かないし。でも……ほんとは凄く優しい奴で……他の人の事憎めなくて、自分を憎んでしまう様な奴で……だから……俺は出来るだけ傍で守ってあげたいんです。凄く…大切な存在なんです」
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