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「そ…それは!つまり!」
え?
なんか、白峰さん涙目に……
「その方に、恋愛感情を抱いてるという事で、間違いないのでは?!」
え?
「いやいや!間違いです!」
「え?どの辺が間違い?柊崎君のお話を聞く限り、その様にしか、聞こえなかったけど?」
「え?いやだって……」
俺が雪に恋愛感情って……
……ないない
「大切な友達なんです」
「………そう…なんだ。だったら、キスはしない方がいいと思うな。その…お相手の方に……勘違いさせてしまうと思うので……」
「勘違いですか?」
「はい。柊崎君も、そういう意味で、その方の事好きなんだと……」
柊崎君も……
も?
「いや……その友達も、そういう意味で好きな訳じゃ…」
「柊崎君!そういう意味だよ!だから、絶対しちゃダメだよ?」
白峰さんが、ガシッと腕を掴んでくる
「え……あ…はい」
「あ!ごめん!」
パッと手を離し
「ごめん!セクハラじゃないから!」
「ははっ。大丈夫です」
「おじさんの言う事は、今の人達には合わないかもしれないけど……違う種類だとしても、お互いを大切に思ってるなら、後悔しないようにね」
「……はい。話聞いてくれて、ありがとうございました。イチゴも、ありがとうございます」
「こちらこそ。また来てね」
「はい」
バタン
いい人過ぎる
初対面の俺の話を、あんなに真剣に
地顔が似てるから、時々すげぇ雪に似てる
ってか、雪の奴言っとけよな
すげぇびっくりしたわ
「ただいま~」
「お帰り。また、いっぱい貰ってきた?」
「おお2袋…ってか、雪!」
「何?」
「白峰さん、お前に似すぎてて、びっくりしたわ!言っとけよ!お前の兄ちゃん、存在したかと思ったわ!」
「え?そう?」
「え?そう?って……雪、似てるって思わなかったの?」
「全然」
「……あ、そう」
本人だと、分かんないもんなのか?
冷蔵庫にイチゴを入れる
柊崎君!そういう意味だよ!
いや、それはないだろ
空閑ならあり得るが、雪が男を好きとか
……え?
この前襲われたの、関係ある?
いやいや、もしも、万が一俺にそんな気持ちあったら
こんな上手く、一緒に暮らしてないだろ
「夏、俺、風呂入りたいんだけど」
「ああ。いいよ」
「んじゃ、お湯溜めよっと」
これが、恋愛的に好きな人に対する態度か?
絶対違うだろ
「雪、掃除も洗濯もしてくれたんだろ?」
「そりゃ、何もする事ないからね」
「休む為に家に居るんだから、ゴロゴロしてろよ。手首、見せてみろ。動かして、また腫れてきてないだろな」
「ん~……ちょっと痛いかも」
「えっ?!」
雪が、自分から痛いって言うなんて?!
これは、相当痛いぞ!
「い…痛み止め飲もう」
「え?」
「えっと…解熱鎮痛剤は……」
「ちょっと、夏。大袈裟過ぎる」
「何言ってんだ?こっちが、びっくりする位の怪我しても、全然痛がらないお前が、痛いって言ったんだぞ?!」
「ごめん。冗談。そんな痛くない」
?
そうやって笑顔見せられると、ほんとなのか冗談なのか
「どっちでもいいから、飲んでおけ。あと、頭くらい洗ってやる」
「……何言ってんの?俺、子供じゃねぇよ」
「子供は、我慢しないで教えてくれんだよ。ほら、水。飲め」
「……じゃあ……一緒に風呂入ろうよ」
確かに……
また、風呂で沈んでるかもしれないし
いっそ、一緒に入って、背中もこすってやるか
「よし。一緒に入るか」
「………え?」
「ん?」
「い……いや……冗談だよ。ちゃんと自分で入るから。頭も自分で洗える」
「何だよ?いつも一緒に入ろうって言ってたくせに。一緒の方が、お前洗うの手伝えて、湯船に沈まない様に見てられるから、いいよ」
「いや……俺が良くない」
「は?何で?」
「………何ででも!夏の馬鹿!」
「は?!」
そう言って、雪は着替えを取りに行った
「おい!ほんとに、痛いのに無理して動かしたら、更に悪化するぞ?」
「だから、大丈夫だってば」
「何、意地になってんだよ?」
あれ?
雪が着替えを持って歩きだす
「ちょっと待て、雪」
「何?俺、先に入るから」
「お前、熱あるんじゃないのか?」
「は?」
振り返った雪の顔が、少し赤い
「顔赤いぞ。どれ?」
額に手を当てると、どんどん雪の顔が赤くなってって……って……
あれ?
この反応……
「ね……熱なんかないよ!俺!風呂入る!」
そう言って、風呂に行ってしまった
あれ?
いや……まさかな
え?
嘘だろ?
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