雪side

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雪side

「はぁ~……これは…確定だなぁ……」 まさか、おでこ触られたくらいで…… 俺、男もいけたのか…… 「はぁ…知らなかったわぁ……」 どうしようかな 夏、あれ?って顔してた 一緒に居たら、ああいうの増えてって、気付くのも時間の問題だよなぁ 夏と…離れたくない…けど…… 一緒に居たら 気持ち悪いとか思ってても きっと夏は、今まで通り、接してくれるだろうから…… 旭陽さんに、相談してみっかなぁ…… チャポン 湯船に浸かる ちょっと甘えたくて、痛いなんて言ったら あんなに真剣になっちゃって いつもなら絶対断わるのに 一緒に風呂まで入ろうとした 優し過ぎる いつも俺の勝手に振り回されてんのに… 今日だってきっと 気に入ってる友達…… 悪く言われて怒ってたのに…… きっと、俺と仲良くしてなかったら 今頃、夏は1人暮らしで 誰に気を遣う事もなく こんな…… 我が儘で自分勝手な男の世話をする事もなく 「雪~…大丈夫か~?」 「大丈夫~」 「おお」 こんな… 風呂入るだけで気を張らなきゃなんない様な ごめん…… 俺と関わったばかりに…… もう1人で大丈夫だからって、旭陽さんに言おう 夏の優しさに慣れちゃったら、俺だって、これから先辛いし もう、夏を解放してあげなきゃ 「…ふっ…やだなぁ……っ……離れたくないなぁ…」 俺と離れたら あいつと、もっと仲良くなんのかな 夏、優しいから、あいつが好きって言ったら 断わらない気がする だって…あんな事されても 明日もまた、あいつと一緒に居るんだ 「うぅ~…やだなぁ……っ……っ…」 ほんと、あいつムカつく こんなの気付かないまま ずっと夏の1番の友達で居たかったのに ムカつくけど…… 虚しさしかないはずなのに 「っ……うぅ~……もう……やだ…」 夏の優しさが、今まで以上に嬉しくて 夏の顔見るだけで、嬉しくて 夏と一緒に居る時間が… バシャッ ダメだ こんな事考えてたら、離れられないだろ バイト休んでる間に、旭陽さんに相談して なるべく、夏の居る時間は、部屋で寝てよう 「夏~。風呂どうぞ」 「おお。さすが、家でゆっくりしてると、沈まないのか?」 「まあね」 「髪、乾かして…いや、俺が乾かすか」 また、すぐ甘やかす 「いいよ。ちゃんと乾かして来る」 「ダメだ。そこに座ってろ。結局、鎮痛剤も飲んでないし」 夏が、ドライヤーを取りに行く 困るのに…… 風呂上がり……思い出しちゃうじゃん ブォー 優しい触り方 やらし~なぁ 夏と付き合える人は、こうして乾かしてもらえるんだ 「羨まし……」 収まれ ドキドキするな 幸せ感じるな その先は地獄だぞ 短い人生最悪にするつもりか? 「よし、乾いたぞ」 「ありがと」 「雪、やっぱり、念のため薬飲んでおけよ」 そんな、ほんとに心配してる様な目で見ないで 「分かった。飲んどくよ」 「……うん」 夏がドライヤーを片付けに行ってる間に、薬を飲む さっさと寝よう 「雪、バイト1週間休めたのか?」 「うん。大丈夫。俺、もう寝るね」 「え?ああ……おやすみ」 「おやすみ」 ザー 雨降り…嫌い 母さんが帰って来る音……聞こえないじゃん 階段上ってくる音……聞き逃したくないのに 洗濯物畳んで 部屋も綺麗にしたし 100点満点のテスト……早く見せたい 「…母さん……」 いっぱい誉めてくれるから どんなに忙しくても いっつも嬉しそうに話聞いてくれるから だから1人でも待っていられる ガチャ 「…ただいま~雪」 帰って来た! いっぱいいっぱい話したい事ある 寝るまでに終わるかな まずは……何から……話そうかな………
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