雪side

2/3
前へ
/48ページ
次へ
今…何時? 4:00か 随分早く、目覚めちゃったんだな なんか、バッチリ目覚めた すっげぇ、いい天気 昨日1日外出なかったし、ちょっと散歩行って来るか そ~っと そ~っと あ、マスクはしなきゃ 腫れは、だいぶ引けたけど、色んな色が…… 行って来ま~す 気持ちいい 人、全然居ない 車も少ないし こんな時間に歩く事ないもんなぁ なんか新鮮 あっちの道…行った事ないな せっかくだし行ってみるか 冒険だ 慣れない事するもんじゃない 迷った…… 見知らぬ景色しかない どうにかして大きな通りに出れば、分かるんだろうけど…… 「疲れた……一休みだ」 住宅街の中の小さな公園を見付けて休む ちょっとその辺と思って 携帯持って来なかったもんなぁ ま、今日の予定がある訳でもないし、もう少しして、人に会えたら聞いてみよう クスクス 「可愛い~」 「熟睡だね~」 ん~? なんか……騒がしいな ってか……なんか……苦しい様な…… パチッ あ、公園か ベンチで寝たんだ俺 胸の上に何か…… 「……苦しかった原因は、お前か、にゃんこ」 「ぅにゃ~ん」 「うっ…分かってんだぞ?お前ら、その顔と声で、人を騙してんだろ」 「にゃん?」 く~~~っ! 可愛い過ぎんだろ! 学生の登校時間って俺…… 何時間寝てたんだ? これは……夏、起きて心配してんだろなぁ でも、手ぶらで来ちゃったからな あ、寝てると思って気付かないパターン 靴見なかったら、バレないかもな 夏と離れたら、こんな心配しなくていい 何時に帰っても 帰らなくてもいいんだ 「にゃんこは、1人でも寂しくなさそうだよなぁ。1人で楽しむコツは?」 「んにゃっ」 「あっ…行っちゃった」 自由気ままだなぁ それを楽しめばいいんだよね 何にも縛られず 何かに執着するから辛いんだ 「分かってたのにな~。さてと………あの、すいませんが、道教えてもらえますか?」 こんな近くで迷ってたのか あっという間に、知ってる道に出た 現代の冒険には携帯必須だな ん? マンションの前に居るの……夏っぽい 逆方向を見てるけど…… もしかして俺を探してくれてたりする? くるっと振り返って、こっちを向くと 「……雪!」 と、走り寄ってきた あ…これは探してたな 「夏、おはよう」 「おはようじゃねぇよ!どこ行ってたんだよ!」 「えっと……ちょっと、その辺散歩してたら、迷ったから、公園で休んでた」 「はぁっ……なんだよ、もう~~!びっくりさせんなよ!昨日、なんか様子変だったし、どっか行っちゃったのかと、思ったろが!」 昨日…様子変だと思ってたんだ 「ごめん。携帯持ってなかったから、人が出歩く時間になるまで待とうと思ってたら、寝ちゃってて」 「一体何時に、出て行ったんだ?」 「4:00」 「4:00?!何時間寝てたんだよ?!」 「ごめん……俺も、まさか寝てるとは思わなかった」 「まあ…何でもないならいいけど。帰るぞ?」 「うん」 帰るぞ……か 夏と離れたら 今の俺、羨ましいって思うだろなぁ エレベーターに乗ると 「……雪…なんで外出たの?」 「?昨日…全然外出てなかったし……」 「……そっか」 「何?」 「いや……雪、大学卒業までは、一緒に暮らせるんだよな?」 「っ!」 なんで今……そんな話…… 「雪?なん…」 チーン 「あ、降りよ」 「え?ちょっと、なんで答えないんだよ?そうじゃないって事?」 「それは……家帰ってから話そ」 「話すって……一緒に居られないって事?」 「だから……ちゃんと家入ってから…」 「なんで?!昨日一緒に考えてこうって言ったばかりだろ?!」 「あ……」 「あ?」 白峰さん
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加