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夏希side
風呂に…行ってしまった
ちょっと……整理しよう
あの雪が、顔を真っ赤にしてたぞ?
どっからだ?
どの辺から、おかしくなった?
空閑が来た辺りか?
すげぇ怒ってたけど……
まあ、自分は空閑と同類のくせに、俺には色々言ってくるから
その辺は、いつも通りか
空閑が帰ってからは……
別に、いつもの、自分の事は棚の上論議が始まって
「……俺……夏の事………好き……みたい」
俺だって雪の事、多分1番大切に思ってるし
空閑が、あんな事してったから、対抗意識みたいので、そう言ったんだと思ったけど……
「まさか……そういう意味での好きだった?」
あれ?
待てよ?
もしも、そういう意味での好きだとしたら
「あれって………告白じゃね?」
あれ……俺、何て言ったっけ?
「何だよ?今頃気付いたのか?俺だって雪の事好きだよ?」
あ……
「……え?」
「嫌いな奴と一緒に暮らしたり出来るかよ」
「っ…そういうんじゃ……なくて」
「そういうんじゃなくて?」
そういうんじゃ……なかった~!!
なのに、その後も……
「……っ…だからっ……」
「だから?」
俺、全然気付かないし
無神経に聞いちゃったから……
「………普通の…友達より……ずっとずっと好きって…事」
雪は……ああやって答えたんだ
俺……最低だ
「……死ぬ時…お互い辛いだろ?」
そう思ってる奴が、好きになってしまったら、どうするんだろう
好きになってしまたんだから、しょうがないと諦めて、楽しく生きてくれればいいが
多分、そんな考えにはなんないだろうなぁ
俺から離れたり……とか
考えそう……
俺の…何が好きになったんだろう?
てっきりうざがられて、半ば決められて始まった共同生活も、さっさと終わらせたいんだと思ってた
空閑が挑発したのに反応して、一時的にそんな風に思ってるだけじゃないか?
「いや……俺が良くない」
「………何ででも!夏の馬鹿!」
いや、違うか
あんな事言う奴じゃない
いっつも、ふざけて一緒に風呂入るって言ってた奴が、あの反応
「ね……熱なんかないよ!俺!風呂入る!」
おでこ触られただけで、みるみる顔が真っ赤になって……
あの顔は……ちょっと
「可愛い過ぎた」
あんなん、女じゃなくたって、ぐっとくるわ
いや、ぐっときてどうする、俺!
おっと…そろそろ見に行くか
「雪~…大丈夫か~?」
「大丈夫~」
「おお」
疲れてないから?
それとも……
俺の事好きになって
ちょっとは死ぬ事考えなくなってる?
「夏~。風呂どうぞ」
「おお。さすが、家でゆっくりしてると、沈まないのか?」
「まあね」
別に…普通だな
「髪、乾かして…いや、俺が乾かすか」
「いいよ。ちゃんと乾かして来る」
「ダメだ。そこに座ってろ。結局、鎮痛剤も飲んでないし」
ドライヤーを取りに行って、髪を乾かす
男が男を好きになっても、欲情するもんなのか
そりゃするか
でも、多分雪だって、男の事好きになったとかなさそうだけど
好きになった途端……
あんな風に変わるもんなんだなぁ
「よし、乾いたぞ」
「ありがと」
「雪、やっぱり、念のため薬飲んでおけよ」
どこまでほんとか分からんが、こいつが痛いと言う自体異常だ
「分かった。飲んどくよ」
えっ?!
素直!
「……うん」
ドライヤーを片付けに行ってる間に、ちゃんと薬を飲んでいる
ほんとに痛いのかも……
「雪、バイト1週間休めたのか?」
「うん。大丈夫。俺、もう寝るね」
え?
もう寝る?
「え?ああ……おやすみ」
「おやすみ」
なんとなく…一緒にイチゴ食べるのかと思ってたら……
ほんとに部屋行った……
やっぱ変だ……
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