夏希side

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ん……7:00か 今日は昼からだから…… まだ寝れる…… ガバッ 雪、大丈夫か? 様子変だったし 珍しく痛がってたし リビングへ行ってみる まあ…寝てるよな 少し聞き耳を立ててみるが、部屋から音はしない いや、普通に寝てるよな でもあいつ、痛くても我慢するし 実は夜中眠れなかったり…… そ~っとドアを開けてみる ちょっと顔見て確認するだけ ………? 枕に顔がない 布団に潜ってんのか? 近付いてみるが……… え? 雪……居ない…… 「……は……は?何で?!」 バサッと布団をめくるが、居る訳もなく あっ……トイレか ……だよな あの雪が、バイトでもないのに、早起きするとか…… 居ない 靴! 玄関に行くと…… 「……ない」 何処……行った? こんな時間に 「あ、電話」 雪の携帯にかけるが…出ない 何度かかけると…… 雪の部屋から…… ヴ~~ ヴ~~ 携帯……置いてってる どうしよう…… 何で……いつ…… 朝?夜中? 何で突然…… とにかく…… 探さなきゃ マンションを出て、その辺を探してみるが居ない さっき出たのか 何時間も前に出たのかも分からない 「はぁっ……はぁっ……どうしよう……」 1度マンションに戻り、雪の部屋へ行く 携帯…… いつも持ち歩くバッグ…… 中に財布も入ってる すぐ戻って来る用事? コンビニ……じゃないし でも、何も持たないで家出とかさすがに…… 何するにしても、財布くらい持たないと、生きてけない …………え? 生き……え? まさか…… 「……嘘……だって、そんな突然……」 体が震える どうしよう どうしよう 雪……死… 携帯……誰か…… 手が震えて…… 空閑(くが)なら……少しは事情知ってるから…… プルルルルル…… プルルルルル……プルルル 「はいは~い……空閑君にご用のある方は、10時過ぎてから、お掛け直し下さ~い………」 「……空閑……ちょっと……どうしたら…いいのか……」 「夏希?どうした?」 「朝……起きたら……雪…何処にも居なくて……その辺……探したけど……いつ…出て行ったのかも……全然……」 「携帯は?」 「置いてある……財布入ったバッグも……あって……」 「んじゃ、その辺散歩でもしてんじゃねぇの?」 「さ…散歩?……でも…雪…そんなの……した事ない…」 「今日が初めての散歩なんじゃねぇの?」 ほんとに散歩だったら…… でも…… 「……昨日…雪、かなり変で……ほんとに……いつもの雪とは全然……だから…家出とかなら…分かるけど……何も持たないで、そんなのしないだろ?」 「まあ、携帯と財布くらい持つな。だから、散歩だろ?」 「そうじゃなくて!雪は……死にたがってるんだ……ほんとは……もう少し先の話だったんだけど……もしかしたら……っどうしよう……」 雪……死んじゃったら…… このまま会えなくなったら…… 「まあ、それはないな」 「………え?」 「そんな形で、夏希の前から消えるって事はないだろ」 「……何で…そう思うんだ?」 「昨日、お前らを見たから」 「……?それで……何が分かるんだ?」 「色々だよ。何でお前には分かんないんだろな?」 なっ?! 「ふざけてないで教えろよ!」 「そうだな。雪って奴、ふざけてばっかいるって言ってたもんな」 「……そう…だったけど……昨日は違ったから……」 「へぇ~?告白でもされた?」 「えっ?!なっ?!…」 何でこいつ……? 「ふ~ん?予想以上に早い展開だな。で、お前が振ったから、罪悪感で焦ってんのね?」 「いや……振ったって言うか……後から気付いたって言うか……」 「うわぁ~~。ないわ~。一緒に住むくらい、仲良い男友達に告るって、かなりの勇気だぞ?何?遠回しに言われたの?」 「いや……直接的過ぎて……いつものふざけてんだと思って……あと、お前が昨日あんな事してったから、対抗心とかなのかと……」 だって……今までは、ずっとそうだったから…… 「じゃあ、本気の告白だって気付いた夏希は、どう思ったの?」 「どう思ったって……未だに信じられないけど……やっぱり、今までとは違う反応とかするから……そうなんだろうなと…思うけど……」 「じゃあ、そういう反応見た時、どう思った?」 「え?どうって……」 あれは…… 「ちょっと……可愛い過ぎた……」 「ぶっ!……くっくっぶあっはっはっはっ!」 「なっ!笑い事じゃねぇんだよ!」 「ひ~っ……お前ら…はっはっはっ腹痛ぇ…くっくっくっ……」 くそっ!笑い死ね 「とりあえず、もう少しその辺探してみるわ」 「ひ~っひっひっ……おう…心配しなくても、帰って来るから…くっくっ…大丈夫だぞ」 「なんの自信なんだよ?じゃあな」 何で、俺より雪を知ってるみたいな…… 「なっ…くっくっ…夏希…」 「何だよ?」 「おまっ……くっくっ…コホン……ああ~。お前は、雪がどうして欲しいとか、雪の為にどうしたらいいという基準で考え過ぎている。雪の為じゃなく、お前が、雪をどう思ってどうしたいのか考えろ」 「……あ?俺が雪を大切にして、幸せにしたいんだから、同じ事なんじゃねぇの?」 「ぶっ!ぶはっはっはっ!もう無理!お前…俺を笑い死にさせる気?!ひ~っひっひっ…限界…じゃな。くっくっ……」 プツッ 切りやがった
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