夏希side

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ムカつく 昨日少し会っただけで、何であんなに分かった様な…… 俺が…1番分かってるはずなのに…… 「何だよ?あの自信……」 とりあえず、マンションの外に出て、辺りを見渡す 帰って来るのかどうか……分かんないけど…… 散歩なんて……した事ない…… ほんとに……戻って来る? 近くの小路まで行って、その先を見る 次の小路も、向かいの小路も…… なんか……デジャブ…… 逆側を見ようと振り返ると…… 雪? 雪が……戻って来た 「……雪!」 走って寄ってくと 「夏、おはよう」 「おはようじゃねぇよ!どこ行ってたんだよ!」 「えっと……ちょっと、その辺散歩してたら、迷ったから、公園で休んでた」 散歩……ほんとに…… 「はぁっ……なんだよ、もう~~!びっくりさせんなよ!昨日、なんか様子変だったし、どっか行っちゃったのかと、思ったろが!」 何事もなく帰って来てくれたのは嬉しいけど 空閑の言ってた通りなのがムカつく 「ごめん。携帯持ってなかったから、人が出歩く時間になるまで待とうと思ってたら、寝ちゃってて」 「一体何時に、出て行ったんだ?」 「4:00」 そんな……早い時間に出てたんだ…… 散歩じゃなかったら……全然気付かないまま…… エレベーターに乗る 「……雪…なんで外出たの?」 「?昨日…全然外出てなかったし……」 ほんとに…それだけ? 散歩なんて、した事なかったじゃん 「……そっか」 「何?」 「いや……雪、大学卒業までは、一緒に暮らせるんだよな?」 「っ!」 なっ?! 明らかに、困った顔したぞ? 「雪?なん…」 チーン 「あ、降りよ」 「え?ちょっと、なんで答えないんだよ?そうじゃないって事?」 「それは……家帰ってから話そ」 「話すって……一緒に居られないって事?」 「だから……ちゃんと家入ってから…」 「なんで?!昨日一緒に考えてこうって言ったばかりだろ?!」 「あ……」 「あ?」 近くに、白峰さんが立っていた 白峰さんが、罰悪そうに、苦笑いをしながら挨拶をしてきたので、俺達も返すと 「あ……えっと……ごめんね?なんか……タイミング悪いところ、通ってしまって……」 ほんとに…… 変なとこばかり見られてる 「いえ。昨日も沢山イチゴ、ありがとうございます。白峰さん、これから仕事ですか?」 「うん。あ~……余計なお世話だろうけど、外だと、他の人に聞かれたりするから……」 「はい。気を付けます。行ってらっしゃい」 雪がそう言うと、白峰さんは少し驚いた顔をして 「行って来ます」 そう言って出掛けて行った 知り合ったばかりの雪に、行ってらっしゃいと言われて、びっくりしたのか? それにしても…… 「やっぱ…雪に似てんなぁ~」 「そうかな?俺は、旭陽さんに、雰囲気が似てると思った」 「旭陽さん?ああ……俺、直接会った事ないからなぁ……って、それより!家入って、さっきの話、じっくり聞かせてもらおうじゃないか」 「夏、大学は?」 「今日は、午後からの講義だけ」 「……そう」 何? その……悲しそうな顔は? 「で?何?俺と離れて暮らそうとしてんの?」 ダイニングテーブルを挟んで、雪を見る 「旭陽さんに……相談してみようかなって……」 「俺が、あんまり干渉し過ぎて嫌になった?」 「そんな訳!…ないじゃん。夏には…感謝しかないよ」 「じゃあ、なんで?」 「俺の…問題だから……俺が…おかしくなっちゃったから……夏とは……居られないんだ」 「それって……昨日、俺がおでこ触ったら、顔赤くしてたのと、関係ある?」 雪は、少し驚いた後、辛そうな顔をして… 「そう……そういう訳だから、今日、旭陽さんに、相談してみる。すぐにって訳にはいかないかもしれないけど……」 「なんで旭陽さんなの?」 「え?だって…ここのマンション…」 「まず俺だろが!なんで、そんな大事な事1人で決める訳?!」 「いや、だって……夏に相談したって、困らせるだけだろ」 「だから!何で勝手に決めんだよ?!」 俺の事好きな気持ち消す為に 俺を好きだったなんて、なかった事にする為に離れるんだ 「……気持ち悪いだろ」 「は?」 「俺は!ちょっと前までの俺じゃないんだ!夏の事からかって、ふざけて、くっ付いたり、キスしたり……もう…そういうの、ふざけてなんて出来なくて……夏におでこ触られただけで、ドキドキする、キモい奴になっちゃったんだよ!俺だってなりたくてなった訳じゃないけど……気付いたら……そうなってたんだから……しょうがないだろ?」
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