雪side

3/4
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
くそっ! (ちか)の奴、夏にどうやって触ってた? あと、何された? 早く確かめなきゃ 夏に言って、さっさと家に帰る事にする 家に帰って、夏が風呂入ってる間に、適当に晩ごはんを作って食べた 全然あり合わせだけど… 夏、すげぇ美味しいそうに食べてる 夏に、ちゃんと確かめなきゃと思ってたら、湯船に沈むトレーニングも忘れてた 大人しくドライヤーをかけさせて ようやく、ゆっくりとソファーに座る 「イチゴ…まだ沢山だし、明日でもいいかな」 あ、そんな時間か でも… 「…うん。夏…まだ目腫れてるし……」 まあ…俺が行けばいいんだけど 夏…明日になったら、また大学とバイトだから 今日は…ずっと一緒に居たい 夏も、何も言わないのは… 同じ様な事、考えてたりする? 「夏…」 「何?」 「今日…一緒に…寝る?」 「……え?」 え? 何で…そんな 嬉しくてびっくりしてる感じじゃない なんか… すっごく嫌そうな顔…してる 「…夏が嫌なら…別にいいけど…」 「雪が…明日も、ちゃんと居てくれるなら…いいよ」 は? 「?明日も居るって…家に居て欲しいって事?」 「明日も…あさっても…雪に…1番近くで、生きてて欲しいって事」 また…そういう話… 「…っ…何それ……やっぱいいや」 そういう話になると 夏と喧嘩になる 今日は…このまま終わりたいのに 「…あさって…まででも…無理?」 「…え?」 「あさってまでの…約束も…出来ない?俺…また雪に…突然置いてかれるかも…しれないのかな…」 え? 置いて… あ…雅斗達と居た間の… 「夏…」 「俺…今朝……携帯も、財布も、置いたまま雪が消えてて…生きてくのに必要な物…置いて居なくなって……っ死にに…行っちゃったのかなって…」 「え?…」 え? 今朝? 「雪が…奨学金、返したいと思ってるのは知ってたけど…俺が、余計な事言ったり…雪に深く関わったせいで…早くっ…死にたく…なっちゃったのかなって…」 え? 今朝の…散歩で… 「夏…」 俺っ… 夏を抱き締める 「ごめん…夏。考えなしだった。ほんとに、珍しい時間に目が覚めたから、昨日1日家の中に居たし、外の空気吸おうと思ったんだ」 「うん」 「外出たら、人も車も居なくて、散歩したくなっちゃって…ごめん。携帯くらい持つべきだった。夏が…そんな風に思ってるなんて…全然…」 目覚めて 居なくて その辺探してた時に帰ったくらいに… 「帰って来てくれるなら…いいんだ」 そう言って、夏が抱き締めてきた 夏… どの位…探して… 「俺っ…ごめんっ……あの時、普通に…夏、おはようって……ごめんっ…!」 自分が、置いてかれる事ばかり考えてた そうだ 夏は、雅斗達と居た時も 酔っ払って、あいつらに連れ去られた時も 夏は…突然1人で置きざりにされてたんだ なのに俺… 夏… 怒ってたけど…心配してたけど… そんな事全然言わないから 凄く…凄く不安にさせた 「…夏と…仲良くなってくのが不安なのはほんと。でも、もう…っ今さら離れられないって…思ってるのもっ…ほんと」 夏が大事 「…うん」 「離れられなくなったら…困るっ…けど……しょうがないじゃん。夏の傍に居たいんだもん。先の事…考えたら、夏から離れた方がいいんだって、分かりきってる。けどっ…離れたくないっ。どうしたらいいのか…分かんなくなる」 夏が大切だから…分かんなくなる 「雪…俺も…どうしたらいいのか…よく分かんない。だからさ…とりあえず、あさってまで。文句言っても、喧嘩しても、散歩行っても、遊びに行っても。また俺のとこ、戻って来てよ。なんか…問題起きたら、また考えよ?問題起きなかったら…また、あさって考えよ?」 「あさって…」 「うん。その代わり、不安な時は、お互いすぐ言う事」 言わないくせに 「不安な…時…」 「そ。どうしてかは、言っても言わなくてもいいけど、安心出来る様になるまで、何して欲しいか、ちゃんと言う事」 俺と居る間…ずっと不安なくせに 「毎日…不安だったら?」 夏が体を離して、俺の顔を見る 「毎日…安心出来るまで何がして欲しいか言う事」 「夏が決めた掟?」 「そ。雪も決めていいよ?」 自分が決めて、自分が守れないやつじゃん 「…じゃあ…気持ちも含めて…俺の為に無理しない事」 「…分かった…けど」 ? 「けど?」 「俺…少しくらい疲れてても、雪とどっか行ったり、何かしたいし……雪を大切にしたいから…今は我慢したい事とか…あるんだけど?」 なっ… 何でそんな恥ずかしい事言えるの?! 「そっ…それじゃ…掟の意味ないだろが!」 「じゃ、違う掟にして?」 チュッ 「なっ!…不意打ち禁止!掟!」 「嘘つくなよ。嬉しいくせに」 「う…うるさい!…あ!思い出したぞ!(ちか)の奴に触られたとこ、全部言ってみろ!俺が行く前に、既にキスしてたんじゃないだろな?」 「してないってば。俺が、泣きじゃくってたからさ、顔揺れない様に押さえられただけ」 「どうやって?」 「どうやってって……」 夏が考えてる 嘘吐くか、言わないつもりだな だって…あんな声… 絶対耳触られたんだろ 「……どうだったかな?俺、あんま覚えて…っ!」 ほらね 「こうやって、押さえられた?」 「さ…触るな!知ってるだろ?俺、耳…」 夏が俺の手を押さえてくる 「知ってるよ?夏、耳弱いよね?何で簡単に、俺以外の奴に触れさせるの?」 「な…何でって…っ!…手を動かすな!」 可愛いくて…エロい顔… これを見せたんだ 「んっ…やっ……やめっ…」 そんな声…聞かせないでよ 「何で…(ちか)に…そんな顔見せたの?」 「こっ…こんな触られてねぇよ!」 「何で…悠に…そんな声聞かせたの?」 「はあ?」 何…とぼけてんの? 「ねぇ。掟…守っていい?」 「は?」 「不安になったから…安心出来る事していい?」 「いいけど…安心出来んむっ…?!」 言い終わらないうちに、キスしてやる あのまま…あいつ… 「はぁっ…ほんとに…キスはしてない?」 「してない!」 「んっ…信じる」 信じるけど… 「ったく…んぅっ…?んっ…ふはっ…んんっ…」 雅斗以外に、(ちか)が、あんなに誰かに近付いてるの…見た事ない 夏が…嘘吐いてる訳ないと思う でも… 「はっ…んあっ…?」 ドサッ 夏をソファーに押し倒す 「はぁっ…ちょっと…」 (ちか)には出来ない事… 夏を跨いで、上に乗っかる 「俺を…安心させてくれんだよな?」 「はぁっ…出来れば……何して欲しいのか…言って欲しいんですけど…」 「…(ちか)より沢山…夏のエロい顔が見たい」 「え……」 びっくりしてるけど 嫌がってない 夏の服の中に手を入れると 「ちょっ…ちょっ…と待った~!」 「…待ちたくない」 「いや…待て!」 いや 嫌 「また…嫌って言った」 「え?」 違う意味だって…知ってるけど… 「安心じゃなくて…もっと不安にさせんの?」 俺だけいつも拒否されるのは… 「そ…じゃ…ないけど…」 大切にしてるって…分かってるけど… 「分かった。雪が安心出来る事…していいよ」 またすぐ無理する 「…無理してない?」 掟…破っても気付かないんじゃ 意味ないじゃん 「してない。けど…俺は、雪にキス以上の事しないよ?」 しろよ 「…くそ真面目のバカ夏。勝手にするからいいもん」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!