雪side

2/2
前へ
/48ページ
次へ
「あんまり…いい人に巡り合えなかったの?」 「どうなのかな?俺の付き合い方が悪いのかな?他の人となら…上手くやってんのかも…」 「それは違う」 「…え?」 「夏みたいに、優しいで出来てる奴が悪い訳ないだろ?夏と合わなかっただけだよ」 「雪…」 夏が、ぎゅ~っと抱き締めてくる 「雪も分かるだろ?優しいが、いい事とは限らない。多分…俺の行動で、不安にさせたり、そこから嫉妬とか独占とか、出てくるんだと思う。彼女以外に、関わらなきゃ良かったのかな…でも、そんなの…無理だよな。だからと言って、彼女に優しくしてると、うざがられたり…多分俺は、加減ってものが、下手なんだと思う。毎回…色々考えるんだけど…結局、怒らせたり、泣かせたり……去ってくんだ」 こいつは… ガバッと起き上がる 「夏は、優し過ぎるんだ!いいか?何でも自分のせいにするな!なんで、2人で付き合ってるのに、原因が全部夏な訳?!んな訳ねぇだろが!俺だって、夏の事ムカついたり、うざかったり、なんで分かんないの?って思う事もいっぱいだけど!空閑(くが)とか、消えろ!って思うけど!それでも離れたくなかったら、何とかするしかないだろが!離れて終わりに…出来るなら…そんなに好きじゃ…なかったんだろ?!」 ムカつく! 何だよ?そいつら! 離れられる位なら、夏と付き合うなよ! 俺は…離れたくても、離れられないんだ! 「雪…」 夏が、後ろから抱き締めてくる 「雪は…離れて終わりに出来ない位、俺の事好き?」 「は…はあ?何自惚れてんの?」 「うん…ちょっと…自惚れちゃった」 そう言って、俺の右肩に顔を乗っけてくる 「俺…男なんて好きになった事なかったから、不思議な気持ち」 「俺だってそうだよ!なんで、よりにもよって一緒に暮らしてる奴を…めんどくさい」 「それでも、離れないで居てくれる?」 「うっ……離れられるもんなら、とっくに出てってるよ!どうすんだよ?!俺…こんな風に誰かを好きになる予定なかったのに!」 「俺も…もう誰かを好きになるの、やめようかと思ってた」 「えっ?…んっ…手…動かすな!」 夏が、軽く抱き締めてた腕を、ぎゅっとしてくる 「雪に好きだって言われても、応えられないと思った。でも、あんな死にたがってるのに、絶対邪魔なはずなのに…すげぇ必死になってる雪見たら…たまらなく愛おしく思った」 「い…愛おしくとか…言うな!こっちまで恥ずかしくなってくるわ!」 なんでこいつ、そういう恥ずかしいフレーズ使う訳? で、なんで照れてないの? 「死にたい奴が、俺の為に一生懸命なんだぞ?ちょっと凹んでるから、好きになるのやめようとか、思ってる場合じゃないよな?そう思ったら、すげぇ好きだって気付いて…なんだ。俺も、雪の事好きだったんだって思った」 「えっ?なんか…好きになるまでが一瞬すぎて…疑わしいんですけど…」 「だから…多分もっと前から好きだったんだよ。でも俺も…誰も好きにならないって、無意識で気持ちブロックしてたんだ。で…雪がそれ…解除してくれた」 「うえっ?!手…動か…んっ…ちょっと…」 夏が、服の上から腹やら腰やら触ってきたと思ったら、さっきまで顔乗っけてた辺りに、キスし始めた チュッ チュッ 「…んっ…なんっ…で…はなっ…し…んっ……とちゅっ…」 「雪へのお礼。俺のブロック解除してくれて、ありがとう」 「お…お礼はっ…!……違うっ方法…んっ...にっ…!」 チュッ チュッ こいつ… 「音…立てっ…!んなっ…!」 「音立てた方が、キスしてる感じするだろ?」 「音しなくっ…たっ…てっ…」 分かるわ!アホ! 「あっ…!」 うわっ なんちゅう声… 「なっ…まって…」 「何?」 「せ…背中…ヤバい…から」 「分かった。声いっぱい出ちゃうって事ね?了解」 え? 何の了解?? 「ちっ…ちがっ…あっ!…ちょっ…ほんとっ…」 下から…シャツ上げ始めた 「な…夏…ほんとに…ほんとっ…!んっ…くっ…はぁっ…」 ほんとにほんとに背中はヤメロ! 「~~…んぐっ…ぐあ~~!」 渾身の力を込めたら、動けた すげぇ…俺 「……え?」 夏から離れて振り向くと 呆けている 「…くっ…は…はぁっ…へっ…ざまぁ…はぁっ…俺の…言う事…くっ…はぁっはぁっ…聞かない…からだ…」 へんっ! いつもいつも、やられてばかりと思うなよ あれ? 夏…俯いた 「…っ……っ…」 えっ?! 嘘だろ? こんな事位で泣く?! 「ちょっと…何も、泣かなく…」 「…ぶはっ!は~はっはっはっ!くっくっくっ…おか…おかし…は~はっはっはっ…」 は? 「お前っ…あそこからの…ぶっ…くっ…くっ…ぐあ~~!って…くっくっくっ…はっ…腹いてぇ~!」 ……な…泣いてたんじゃないんかい?! バカ夏! 「お…お前は、くすぐったがり人種の気持ちを、も少し考慮しろ!夏の耳が、全身にある様なもんなんだぞ?!」 「…くっくっくっ…そっ…それはっ…死ぬっ…くっくっ…」 「お前が殺しかけたんだ!」 「ごめっ…くっくっ……はぁっ…はぁ~…苦しかった」 ほんの少しでも心配した俺が馬鹿だった ん? こいつ…笑い過ぎて泣いてる! どんだけだよ?! 「はぁ…おかしかった。俺、付き合ってる子と一緒に居て、こんなに笑ったの初めてだわ」 なっ…! 「子とか言うな!」 「ありがとう…雪。やっぱ、好きな子居るって…好きな子と居られるって…幸せだ」 こいつは! どんだけ、その口から恥ずい言葉が出てくるんだ?! 「もう黙れ!」 「んっ……はぁっ…雪、いつも彼女の事、キスで黙らせて…ふぁっ…はっ…」 口を開けると余計な事ばっかり こんなの どうやって置いてけばいいんだよ? 夏を道連れになんて出来ない 「はぁっ…雪っ…はぁっ…好きっ…ぃはっ…」 離れ…られない じゃあ…どうすんの?! 俺…許してないのに 許せないままなのに 「雪っ…ありがとう」 「っ…」 抱き締めてきた夏を、抱き締める どうしたらいいの? 「…あさって…まででも…無理?」 あ... あさって…までなら… このままでいいかな そんなに…変わらない きっと明日も、あさっても 喧嘩して 仲直りして 泣いて 笑って じゃあ… 今は…何も考えないで 幸せ…感じててもいいかな また、あさって…考えるから……
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加