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「俺、雪が死んだら……多分、悲しくて、寂しくて、こんなに一緒に居たのに、結局止めれなかった自分を、許せないと思う」
「何で?!夏は関係ないだろ?!」
「関係ない訳ないだろ!そりゃ……何年も一緒に居るって訳じゃないけど……結構…人生の中で大変な時期、一緒に居るって……大きいだろが……俺は!出来れば雪とずっと一緒に居たい。凄く大切に思ってる。あと……何言えば、雪……俺と一緒に生きてくれるんだよ?なんで……こんなに頑張って生きた先が…死なんだよ……」
だって……
しょうがないだろ……
「……俺だってほんとは……夏と一緒に居たいよ。ずっと……一緒に居られたら楽しいだろうなって思うよ」
「だったら!」
「でも……どんなに夏が大切だって言ってくれても、母さんが、ほんとに俺の事大切に思ってくれてたとしても……俺が……俺が!全然俺を許せない!鏡見る度に消したくなる!母さんに似てる場所まで壊すの…悪いと思うけど……この体全体が、気持ち悪い細胞で出来てるんだ。毎日…毎日……そう思って生きてくの……辛いんだ……」
「雪……」
夏が傍に来て、後ろから抱き締めてくる
「夏……」
「何?」
「母さんの……歳から考えると……」
「うん?」
「多分……父さんと出会ったの……今の俺と同じ位だったと思うんだ……」
「はぁ……そうか……」
夏が、俺の顔の横に顔を寄せてくる
「母さんの記憶に残ってた…父さんの顔に…今1番似てるんだと思う」
「だったら……おばさんは、幸せだったと思うよ。雪が許せなくたって……おばさんは、毎日会えなくなった、大好きな人の顔見れて……幸せだったと思うよ」
「~~~っ母さんっ……父さんの事……好き…だったと……思う?」
「思う。好きな人の子供だから、産んだんだろ?好きな人の子供だから、苦労してでも、ちゃんと雪の事、育てたんだろ?」
「…うっう~っ……そっ…思う?」
「思う。おばさんの愛情が、本物じゃなかったら、雪は、こんないい子に育ってない」
「いっ…い子じゃっ……ないっ」
「優しくて、いい子だろ?1番憎みたい相手……色んな理由つけて、憎めないくらい優しくて……それで、自分が死ぬって考えるのは…困った子だな」
「なっ…夏っに……い…いっぱい……家族じゃないのにっ……凄くいっぱい……迷惑かけて……なのにっ……困らせる事っ…ばかり言って……いっ子じゃないっ…の…知ってるけど……うっ……俺も……どっ…したらっ……いっ…のか……分かんないんだ……」
「うん。だから…一緒に考えてこう?きっと、こうだって、決めつけないでさ。少しずつゆっくり……知るのが怖い時は、一休みして。ゆっくりだよ。だれも…急かしてなんかないだろ?」
夏が……
「なっ…に……からっ……考えればいい?」
「まずは、俺の作ったオムライス、ちゃんと完食しろ。それから、イチゴを貰いに行くから、イチゴ料理考えろ」
優しい夏が……
「イチゴっ…料理っ…は……要らない」
「おい!」
「夏……」
好きだ
「何?」
「キスして…いい?」
「はあ?!なんで?!」
「したいっ……からっ…」
「いや…そういうのしたかったら、彼女作れよ。俺とキスする意味が分かんね~」
夏が……好き
「キスっ…したいんっ…じゃなくてっ…」
「あ?」
「夏っ…と……キスっ……したいっ…の…」
「いや……だから……益々意味分かんないんだけど?」
夏は……
全然……
困ってる
「……ごめん……我が儘っ…言った……オムライス食べよっ…」
「お……おお……?」
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