Dom/Subユニバースを文化人類学の視点から読み解く

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Dom/Subユニバースを文化人類学の視点から読み解く

Dom/Subユニバースも、自分の中ではオメガバースに近い感覚で描いていて。 DomとSubという第2の性がある世界なのですが。彼らも苦しむんですよね。自らの生まれ持った性で。 Domと診断を受けてから得てしまった苦しみや、Subと診断を受けたから得た喜びがあるんですよね。 自作の『ひら、ひらり。』では、そちらの世界観をベースに物語を書きました。 性に翻弄される大人のシリアスな側面が見えたりして。 まだ成熟しきれていないSubくんが主人公なので、未体験のことばかり…つい守ってたげたくなる雛瀬さんが誕生しました。 かわいい子なのですが、時に可哀想になることもあり。 Dom、Subと一口に言っても彼らにも個性や性格があるので、それぞれのパートナー『mate』の関係性が違うんですよね。それも描きたかったので、後半のシーンには複数の人々が出てきます。共感できたり、できなかったり。なぐさめたり、癒されたり。各々のカラーがあるんですよね。それが、水彩絵の具みたいに重なったり重ならなかったり。それらが生み出すプリズムが美しい。 mate同士のカラーが溶け合うように見えて、逆に離れてしまったり、くっついたり、また離れたり。 現実世界でもそういうことってあると思うんです。 リアルで冷淡な視点に立つというか。物語こそ、理想的な、夢見る乙女のような世界観も好きなのですが、自分はどうも冷静に書いてしまうようです。酷な話だな、と自分でも思うことがあります。それゆえの煌めきや、美しさもあるのでしょうが。 暴力的なシーンもあるので、苦手な方には申し訳ないです。それも1つのDomの側面として焦点を当てたかった。見て見ぬふりはしたくなかった。そんなガラスのこころみたいなものをお互いに持っているmateを描きたかった。
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