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空の上
真夜中の珍しく雲一つない満月の夜、一組の男女が住宅街を歩いていた。ぴったり寄り添って歩いているのではなく、二人分程離れて。その様子を空の上から見ていたお月様。
ーーーーー
「あー、なんかあのぼくとおじょうちゃんの二人、なんか気になるわぁ」
お月様、二人に月色の粉を一摘みと少々振りかけ、待つこと星が二十回程瞬いた頃...男性を包む色が透明からぴかぴかほんのり青紫に、女性を包む色が透明からぴかぴかほんのり赤紫に変化した。
「なんや、あの二人!ぴかぴか・ほんのり・青紫と赤紫やん!!...もぅ!ぴかぴかは友達以上恋人未満や。お互い思い合ってるのに伝えたらええのに...。ほんのりはあかんかった時の事考えて、現状維持状態や...。ぼくの青紫、おじょうちゃんの赤紫...んーーー!あともうひと頑張りで紫に、両思いになるのにっ!あ"ーーーっ...なんか、あかん!なんかもやもやもやもやしてきたわぁー!」
ぶつぶつぼやき出し、何処から呼び寄せたのか?からだに雲をぐるぐる纏わせ始めたお月様。
「うーーん。なんかないかいな...」
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