空の上

1/1
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

空の上

 真夜中の珍しく雲一つない満月の夜、一組の男女が住宅街を歩いていた。ぴったり寄り添って歩いているのではなく、二人分程離れて。その様子を空の上から見ていたお月様。 ーーーーー 「あー、なんかあのぼくとおじょうちゃんの二人、なんか気になるわぁ」 お月様、二人に月色の粉を一摘みと少々振りかけ、待つこと星が二十回程瞬いた頃...男性を包む色が透明からぴかぴかほんのり青紫に、女性を包む色が透明からぴかぴかほんのり赤紫に変化した。 「なんや、あの二人!ぴかぴか・ほんのり・青紫と赤紫やん!!...もぅ!は友達以上恋人未満や。お互い思い合ってるのに伝えたらええのに...。はあかんかった時の事考えて、現状維持状態や...。ぼくの青、おじょうちゃんの赤...んーーー!あともうひと頑張りでに、両思いになるのにっ!あ"ーーーっ...なんか、あかん!なんかもやもやもやもやしてきたわぁー!」 ぶつぶつぼやき出し、何処から呼び寄せたのか?からだに雲をぐるぐる纏わせ始めたお月様。 「うーーん。なんかないかいな...」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!