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第２話
時は、午前11時50分頃であった。
ところ変わって、丹原町関屋（西条市）にあるお寺さんにて…
家族９人は、二郎の実家のご先祖さまと交通事故で亡くなった二郎の姉（洋子と龍介の叔母にあたる人）のお墓参りをしていた。
そんな中であった。
ものすごくソワソワした表情を浮かべている有希子は、スマホの時計を見ながらつぶやいた。
もうすぐ12時ね…
早く帰らないと…
悠馬のお友だちたち４人を待たすことはできないわ…
この時、悠太が有希子に声をかけた。
「オイ!!オイ!!」
「えっ？」
「『えっ？』じゃなくて、お線香!!」
「オセンコウ？」
「おじさまがお線香を出してと言うてるのだよ〜」
「ごめんなさい…」
有希子は、黒のエコバッグの中から毎日香（お線香）の箱を取り出した。
「早くしろよ!!」
「分かったわよ〜」
有希子は、毎日香の箱を悠太に渡した。
悠太からお線香を受け取った二郎は、お線香に火をつけたあと墓前にたむけた。
ものすごく怒った表情を浮かべている真代は、洋子と龍介に対して『叔母さまにあやまりなさい!!』と言いながら小突きながらお祈りをしなさいと強要した。
洋子さん、龍介さん…
早く叔母さまにあやまってよ…
有希子は、ものすごくソワソワした表情で洋子と龍介を見ながらつぶやいた。
時は、正午過ぎであった。
ところ変わって、お寺さんの駐車場にて…
一家９人が車に乗り込んだ時に有希子のスマホに電話がかかって来た。
電話は、丹原町丹原にある実家で暮らしている母・ともえからであった。
「また…もう…」
ものすごくつらい表情を浮かべている有希子は、ラインの通話アプリを押したあと話をした。
「もしもしおかーさん…今すぐに実家に来てってどう言うことよ!?…またおとーさんがいらんことをしたのね!!…おとーさんがさみしいと言う気持ちはわかるけど、さみしいと言うのであれば外へ出なさいと言うてよ!!…うちは、悠馬のお友だちたち４人にルスバンを頼んだあと家から出たのよ!!…４人とも家は栄町にあるのよ!!…家から遠いのよ!!…おかーさん!!人の話を聞いてよ!!」
受話器ごしにいるともえは、泣きそうな声で『おとーさんがいちばん高い割烹重をたくさん注文したので困っているのよ…』と言うたあと『ランチを食べに来てよ〜』と強要した。
有希子は、怒った声で言い返した。
「イヤ!!拒否するわよ!!イヤと言うたらイヤ!!イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ!!」
となりにいた真代は、ものすごく困った表情で『電話を代わってよ…』と有希子に言うたあとスマホを受け取った。
真代は、ものすごく困った声で言うた。
「もしもし代わりました…あの…有働のお母さまでございますか？…悠太のオバでございますけど…どうかなされましたか？…えっ？…おとうさまが高すぎる割烹重を注文したので困っている？…困っているからどうしたいのですか？…困っているから来てほしい？…ちょっと待ってください…有希子さん〜」
「なによ!!」
「おとうさまがさみしいと言うているからランチを食べにおいでって…」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「どうして拒否するのよ…おとうさまは、孫たちのお顔が見たいと言うてるのよ…悠太さんにぐちを聞いてほしいと言うてるのよ〜」
「おとーさんは周りにメーワクをかけてばかりいるから大キライよ!!」
「困ったわね〜」
ものすごく困った表情を浮かべている真代は、コンワクしていた。
洋子と龍介が親学した先のガッコーへ入学したおりに提出した誓約書の保証人に有希子の父・正行がいた…
正行も、中学を卒業したあと大阪へ働きに出た関係でコーコーに行くことができなかった…
正行は、洋子と龍介にコーコー〜タンダイ・ダイガクに行ってほしいと願っていた。
洋子と龍介が正行の思いにそむいている…
そう思った真代は、悠太に対して有希子の実家へ車を走らせてほしいと頼んだ。
車は、お寺さんを出発したあと有希子の実家へ向かった。
時は、12時半頃であった。
またところ変わって、有希子の実家の大広間にて…
大広間のテーブルに、正行が注文した高すぎる割烹重のセットが並んでいた。
テーブルのまわりに有希子たち家族９人と正行・ともえ夫婦がいた。
正行は、３日前にハウスドゥのリースバックを利用して大金を手にした…
その分の一部を使って西条市内の割烹料理店の最高級の割烹重を注文した。
残った大金は、洋子と龍介の学費に充てる予定だと正行が言うた。
有希子は、さみしいからリースバックを利用したと言うた正行に対して怒鳴り声をあげた。
「おとーさん!!いいかげんにしてよ!!さびしいからリースバックを利用するなんてドサイテーよ!!家のローンを払い終えてこれからだと言うのになにを考えているのよ!!」
有希子に怒鳴られた正行は、イシュクした表情を浮かべていた。
ともえは、ものすごく泣きそうな声で有希子に言うた。
「有希子、なんでガーガーガーガーおらぶのよ〜」
「おとーさんが軽い気持ちでリースバックを利用したことを怒ってるのよ!!」
ともえは、泣きそうな声で言うた。
「家はハウスドゥにバイキャクしたけど、引き続き住めるのよ…」
「信用できないわよ!!おとーさんはドサイテーよ!!」
「それじゃあ、どうしたらいいのよ…うちはお兄さんたちがよそに生活のキョテンをかまえたので家に帰らなくなったのよ…お兄さんたちは信用できないと言うてるのよ…他に話し相手がいないのよ…」
「だからどうしてほしいと言うのよ!?」
「だからここでランチを食べてと頼んでいるのよ…おとーさんが無理してたくさん注文したので困っているのよ…」
有希子は、怒った表情で『３時になったら帰るからそれまでにランチを終えてよ!!』と言うた。
ともえは、ものすごくあつかましい表情で正行に言うた。
「おとーさん!!」
「なんだよぅ〜」
「おとーさん!!有希子たちは３時になったら帰るから…それまでには終わらせてよ!!」
「分かったよぅ〜」
ともえは、おだやかな声で真代に言うた。
「おとーさんがごめいわくをかけてすみません…３時に切り上げるようにとヤクソクさせましたので…あの…ランチだけでも食べてください…」
真代は『分かりました〜』と答えた。
ともえは、やさしい声で『それではごはんにしましょうね〜』と有希子たちに言うた。
ともえは、真希子・悠馬・真有子に対して『お肉とお野菜をのせるからね。』と言うたあとお重に入っているお肉と蒸し野菜をそれぞれのお皿に盛り付けた。
（トクトクトクトクトクトクトクトクトクトク…サーッ…）
正行は、悠太の右手に持っているタンブラーにビールをついだ。
「悠太くん、ささ、のんでのんで…」
悠太は、タンブラーに入っているビールをグイグイとのんだ。
「ああ〜いいのみっぷり…ささ、もっとのんで…」
正行は、悠太に対してビールをたくさんついだ。
正行は、有希子が運転免許を持っているので大丈夫だと思ったので悠太にビールをたくさんついだ。
正行は、酔ったいきおいでよそへ出た有希子の兄たちの悪口をボロクソに言いまくるなどチョーシにのったようだ。
この時、正行はともえとヤクソクしたことをコロッと忘れていた。
終了30分前になったと同時に正行のイヤイヤな気持ちがあらわれた。
正行ひとりがこねたわがままが原因によるもめ事がこのあと発生した。
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