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「あ、あの……小鳥遊くん、ここって……」
ほぼ確信はしたけれど、もしかしたら違うかもしれないと思った私は一応確認してみようと小鳥遊くんに問い掛けるも、
「はい先輩、とりあえず水分補給して下さい」
私の言葉はミネラルウォーターのペットボトルを持って手渡してくれた彼の言葉に遮られてしまう。
「あ、ありがとう」
どうしてホテルに居るのかという事や、何故こんなところに小鳥遊くんと一緒に居るのかが気になるし、そもそもどういった状況でこうなったのか思い出せず、内心パニックになりかけているものの、ひとまず水でも飲んで心を落ち着けようと受け取ったペットボトルの蓋を開けて勢い良く喉に流し込んでいく。
「……それであの、私、どうして小鳥遊くんとここに居るの?」
喉を潤してペットボトルの蓋を閉めた私はすぐ側のチェストにそれを置きながら改めて今置かれている状況を確認してみたのだけど、小鳥遊くんは何やら意味ありげな表情を浮かべるばかりで、
「あれ、先輩覚えてないんですか?」
しまいにはそう意味深な言葉を口にしたのだ。
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