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「……これからは、気をつけます……」  私を思って叱ってくれた彼に素直に反省の意を示すと、 「分かって貰えればいいんです。俺の方こそ、キツい言い方をしてすみませんでした」  自分の言い方も悪かったと謝罪してくれた小鳥遊くん。  意地悪な事をしてくるけど、根は良い人なんだなと再確認した私は彼への警戒心が緩んでいく。 「それじゃあ、俺は失礼します。戸締まり、きちんとしてくださいね、先輩」  そんな中、小鳥遊くんは帰ろうする。  それには正直驚いた。  だって、家まで送ると言われた私は部屋に上がっていくつもりなのかと思ったていたから。  だからなのか、これは無意識だった。 「え……帰るの?」 「え?」  小鳥遊くんが目を丸くして驚いているのを目の当たりにして、私は我に返った。 (今私、何て言った!?)  帰ろうとしているのに、引き止めるような言葉を口にした私。  小鳥遊くんからしてみれば、びっくりするに決まっている。 「先輩……今そういう事を言うのは、狡いと思いますよ?」 「え!? あ、いや、違うの! 今のは――」  分かってる。  今更否定したって、さっき私の口から出て来た言葉を消す事は出来ないって。 「俺は帰るつもりだったのに、先輩からそんな風に言われたら……このまま帰るなんて出来ないです。それじゃあ先輩、お言葉に甘えて、お邪魔しますね?」 「いや、だから、あの……」 「今更さっきのは無し――とか言うつもりですか?」 「…………っ、」  自ら墓穴を掘った形で、小鳥遊くんを部屋に上げる事になってしまった私は自分の失態を嘆きつつ、 「……どうぞ、上がって……。ちょっと、散らかってるけど……」  渋々彼を招き入れる事にした。
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