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「ええっ! その偽装結婚って相手は?!」
「ああ。一応、あんたには、紹介しとこうと思って呼んだから」
その時、モスバーガーの入り口付近で、若い女の子の黄色い悲鳴がした。
「キャー! 金城優馬よーっ! カッコいいーっ!」
波瑠も、その声で、入り口を見た。
あの、今、飛ぶ鳥を撃ち落としまくっている、人気イケメン俳優の金城優馬が、モスバーガーに入って来たところだった。
その金城優馬が、波瑠とミナミのテーブルに来た。
背が高く、長い手足。
軽くウェーブのかかった艶やかなアッシュブラウンの髪。
そして、切れ味の良いノミで彫られたような彫りの深い顔。
どれを取っても、完璧だ。
「ミナミ、待たせたな」
「ええ。待ったわよ」
あの金城優馬と、平然と話しているミナミに、波瑠は呆然となった。
「ミ、ミナミ、ど、どういうこと?!」
波瑠は、震える声で訊いた。
「あたしの結婚相手。金城優馬」
「はあああっ?!」
波瑠の驚きに構わず、金城優馬は、その極上の笑みで、波瑠に言った。
「はじめまして。金城優馬です。ミナミの親友の波瑠さんですね」
「は、はいっ! サ、サイン、、いや、あ、握手して下さい!」
旦那様である渋谷課長を溺愛している波瑠であったが、実は、金城優馬の大ファンだったのだ。
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